研究課題/領域番号 |
19K08971
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
福中 彩子 群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (60586402)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 脂質代謝 / 金属輸送体 / 鉄 / 脂肪分解 / 肥満治療 / ZIP13 / Fth1 / VCP / lipolysis / 肥満 / 生体金属輸送体 / 亜鉛イオン / 鉄イオン / フェリチン / 脂肪細胞 / 呼吸商 / ベージュ脂肪細胞 / ベージュ化 / 亜鉛 |
研究開始時の研究の概要 |
エネルギーを貯蔵する白色脂肪細胞を、エネルギーを消費するベージュ脂肪細胞へと形質転換することによって、太りにくい体質に繋がる薬の開発に注目が集まっている。私たちは、エーラス・ダンロス症候群の原因遺伝子として同定された亜鉛トランスポーターZIP13が、ベージュ脂肪細胞の分化抑制に必要であることを見出した。しかしながら、①なぜZIP13を欠損するとベージュ化が亢進するのか、②ベージュ化亢進は脂肪細胞自律的に起きているのかなど、ZIP13を介するベージュ化の制御には不明な点が多く残されている。本研究ではZIP13の直接の標的分子を同定し、どのようにZIP13の機能に介入すれば肥満糖尿病治療に繋がるかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
我々は、これまでにエーラス・ダンロス症候群の原因分子である亜鉛トランスポーターZIP13がベージュ化を抑制することを見出している(Fukunaka A, PLoS Genet. 2017)。脂肪細胞におけるZIP13の役割をより詳細に調べるために、成熟脂肪細胞特異的にZip13を欠損したマウスを作成し解析した。その結果、このマウスの脂肪細胞では脂肪分解が亢進し、抹消組織で脂質がより優先的に消費されることで、肥満に抵抗性を示すことを見出した。また、その分子機序を調べたところ、ZIP13は成熟脂肪細胞では細胞内の鉄量を変化させることにより脂肪分解を抑制していることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肥満は増加の一途をたどっており、その病態の解明と新規治療薬の開発は急務である。脂肪組織は外部環境を感知して応答し、エネルギーの貯蔵や消費を調節する非常に動的な臓器であるため、脂肪細胞の性質や機能を制御することが肥満改善の最も有効な手段の一つとして期待されている。 本研究により、ZIP13は成熟脂肪細胞においては細胞内の鉄量を変化させて、脂肪分解を抑制する新規の機能を持つことが明らかとなり、ZIP13は細胞分化に伴い亜鉛と鉄を使い分けるという、新しいコンセプトが提唱できる。また、ZIP13を成熟脂肪細胞特異的に阻害することで、エーラス・ダンロス症候群を示さず、肥満治療に繋がる可能性が考えられた。
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