研究課題/領域番号 |
19K08974
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 (2021) 新潟大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
吉田 陽子 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任准教授 (00586232)
|
研究分担者 |
清水 逸平 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (60444056)
南野 徹 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90328063)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ベージュ細胞 / 解糖系 / 内臓白色脂肪 / 糖代謝異常 / 白色内臓脂肪 / オートファジー / 代謝 / 肥満 |
研究開始時の研究の概要 |
褐色脂肪の機能不全時には代謝がミトコンドリア呼吸から解糖系にシフトするような代謝リモデリングが生じていることが想定されるが、これまで機能不全時の代謝リモデリングは着目されてこなかった。マウスに寒冷刺激や交感神経刺激を行うと、皮下脂肪においてベージュ細胞が誘導されるが、内臓脂肪でのベージュ化はほとんど誘導されない。これまでの予備実験により、遺伝子改変マウスモデルを用いて脂肪組織で解糖系を阻害することにより、内臓脂肪組織でベージュ細胞が細胞自律的に誘導されることを確認している。本研究によりベージュ細胞の誘導機序やその病態生理学的意義を明らにし、代謝性疾患に対する新たな治療コンセプトの創出に挑む。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的は、1)解糖系の制御により内臓脂肪組織でベージュ細胞が誘導される機序を解明すること、2)細胞自律的なベージュ化の分子機序を明らかにし、糖尿病や心不全などの代謝リモデリングが生じる病態において、ベージュ細胞の誘導による新規治療法を確立すること、であった。遺伝子改変マウスモデルを用いた検討により、脂肪組織で解糖系を阻害することにより内臓脂肪組織でベージュ細胞が誘導されることがわかった。さらに詳細に検討した結果、解糖系を阻害すると分枝鎖アミノ酸が増加し、mTOR経路が活性化されることでオートファジーが抑制されベージュ化が促進されることがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は脂肪組織での解糖系を抑制することでオートファジーの抑制を介して褐色脂肪様細胞(ベージュ細胞)を誘導するというベージュ細胞誘導の新たなメカニズムを明らかにしたものである。全世界で肥満人口は増えており、肥満や糖尿病は健康寿命の短縮や死亡率の上昇につながるため、これらに対する新たな治療法の開発は重要な課題である。本研究成果により、内臓白色脂肪をベージュ化し、代謝の活発な形質に転換できる可能性が示唆され、これまでにないアプローチから代謝性疾患の治療法が開発できる可能性がある。
|