研究課題/領域番号 |
19K08983
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮澤 崇 九州大学, 大学病院, 講師 (30443500)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | NASH / 慢性炎症 / マクロファージ / 線維化 / G蛋白質共益型受容体 / GPR84 / 中鎖脂肪酸 / Gタンパク質共役型受容体GPR84 / crown-like structure |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病・肥満などの生活習慣病の増加を背景として非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)やNASH肝癌の罹患率が急増しており、NASH及びNASH肝癌の発症・進展機構の解明と予防・治療法の開発は喫緊の課題である。本研究は、脂肪肝からNASHを経てほぼ全例が肝癌を発症するヒトの病態に酷似したNASHマウスを用いて、過剰な脂肪蓄積により細胞死に陥った肝細胞を取り囲んで貪食・処理する特徴的な組織像(hepatic crown-like structure(hCLS))を形成するマクロファージに発現するGタンパク質共役型受容体GPR84に着目し、NASHの発症・進展機構の解明と医学応用を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究は、NASHの肝臓で観察される慢性炎症や線維化の起点となる特徴的な組織像であるhepatic crown-like structures(hCLS)に着目し、hCLSを形成するマクロファージで高発現しているGタンパク質共役型受容体で中鎖脂肪酸をリガンドとするGPR84のNASHの病態発症・進展における役割の解明を目指したものである。我々が独自に開発したヒトNASH病態と酷似した経過を取る新しいNASHマウスとGPR84KOマウスを用いて、NASHの肝臓における肝細胞死や線維化の進展にGPR84シグナルが関与する可能性を明らかにすることができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、糖尿病・肥満などの生活習慣病の増加や超高齢化が進む我が国において、NASHの罹患率が急増している。現在、世界中でNASHの病態進展に関するメカニズムの解明と治療法の開発が精力的にすすめられているが、いまだ有効な治療法が確立しておらず、脂肪肝からNASHを経て胞癌を発症する一連の病態変化の解明と予防・治療戦略の開発は喫緊の課題である。本研究により、NASHの病態に特徴的なhCLSを形成するマクロファージに発現する中鎖脂肪酸をリガンドとするGPR84シグナルがNASHの病態進展に関与する可能が示唆され、現在治療法のないNASHに対する医学応用の手掛かりが得られた。
|