研究課題/領域番号 |
19K08984
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
原 朱美 埼玉医科大学, 医学部, 非常勤講師 (60570009)
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研究分担者 |
藤谷 与士夫 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (30433783)
中尾 啓子 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70338185)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | β細胞 / Virgin β細胞 / PP細胞 / α細胞 / 分化転換 / 膵島 / 電気穿孔法 / Vβ細胞 / 糖尿病 / Pdx1 / PPY細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、以下の2段階の実験計画を遂行することにより、生理的条件下におけるPPY細胞の細胞系譜とその制御機構を解明にする。1.PPY-Cre; Rosa26R-GFPマウスを用い、生理的条件下でのPPY遺伝子発現細胞が、胎生初期から高齢期における細胞系譜を明らかにする。その結果明らかになる、起源の異なる2種類のβ細胞の役割の相違に関して検討を加える。2.発生段階におけるPPY細胞遺伝子発現細胞のその後の最終的な運命決定は、Pdx1によって制御されると仮説を立てた。PPY遺伝子発現細胞特異的に Pdx1の発現を人為的に加減させ、PPY細胞からβ細胞への分化誘導に与える影響を検討する。
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研究成果の概要 |
我々は、Pdx1f/f or f/+ or +/+; Rosa26-eYFPマウスの膵臓に、電気穿孔法により、rat insulinII promoter-Creプラスミドを遺伝子導入し、膵島辺縁部のVirginβ (Vβ)細胞を選択的に標識して系譜を追跡した。結果、遺伝子導入された膵島辺縁部に存在するYFP発現Vβ細胞が、時間経過と共に膵島中央部へと移動することが明らかとなった。さらに、膵島辺縁領域に位置する未分化β細胞のPdx1遺伝子濃度の低下により、未分化β細胞からα細胞あるいはPP細胞への分化転換が誘導され、分化転換率に膵臓の領域差が存在することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々の電気穿孔法は、①膵炎を惹起しないため炎症による影響を受けず、導入遺伝子は局所的に導入され②ホストとなるマウスの遺伝子型により、導入遺伝子の発現量を調節できる③遺伝子導入により組み換えが起きた遺伝子を長期的に発現させることが可能④膵島内で、目的遺伝子欠損細胞と非欠損細胞が存在することとなりモザイク解析が可能であり、このような膵島への遺伝子導入法は、世界でも未だ報告がない。我々の研究成果は、単一のβ細胞における遺伝子発現変化による分化転換制御機構を、個体の恒常性を保持した条件で解明した結果で、「真のβ細胞の性質」を解明する一歩となり、今後、新たな糖尿病治療法の開発への応用が期待できる。
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