研究課題/領域番号 |
19K08985
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
川上 文貴 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (50511896)
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研究分担者 |
小寺 義男 北里大学, 理学部, 教授 (60265733)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | LRRK2 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではLRRK2遺伝子変異に起因する糖代謝異常と中枢神経変性のクロストークによるPD発症メカニズムを明らかにするため、以下の解析を3年計画で行う。(1)高脂肪食摂取によるLRRK2遺伝子改変マウスの代謝・内分泌系の変化の解析、(2)脂肪細胞を対象にしたLRRK2による糖代謝調節機構の解析、(3) LRRK2変異と高脂肪食摂取の相互作用によるPDの中枢神経病態の解析。本研究では、分子生物学的手法に加えて、プロテオミクスや生理学的手法を駆使することで、生体レベルから分子レベルまで統合的に解析できる体制を構築している。
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研究成果の概要 |
本研究では、Lrrk2ノックアウト(KO)マウスを使用し、高脂肪食(HFD)による糖代謝異常へのLRRK2の影響を解析した。HFDを摂取したKOマウスは野生型(WT)マウスに比べて耐糖能が改善されることが分かった。インスリン感受性組織におけるLRRK2の発発現を比較したところ、脂肪組織に高い発現を示すことが分かった。さらに、HFDによって脂肪組織におけるLRRK2の発現が上昇することから、LRRK2キナーゼ活性の増加は、Rab10のリン酸化によるグルコーストランスポーター4(GLUT4)の膜移行を抑制し、グルコースの取り込みを悪化させる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、LRRK2関連のパーキンソン病とグルコース代謝異常の関連性を明らかにした。特に、LRRK2の存在が高脂肪食によるグルコース不耐症に影響を与えることを初めて示した。これは、PDの発症や進行の理解に重要であり、新たな治療法や予防法の開発につながる可能性がある。また、脂肪組織におけるLRRK2の役割の解明は、肥満や糖尿病などのメタボリック疾患に関する知見にも貢献することが期待される。社会的には、PD患者の管理や予防に役立ち、患者の生活の質を向上させることが期待される。さらに、メタボリック疾患の予防においても重要な情報を提供することができる。
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