研究課題/領域番号 |
19K08997
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
笹岡 利安 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 教授 (00272906)
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研究分担者 |
和田 努 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 講師 (00419334)
恒枝 宏史 富山大学, 学術研究部薬学・和漢系, 准教授 (20332661)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 未病 / 2型糖尿病 / 肥満 / 慢性炎症 / エネルギー代謝 / SiglecG / 糖尿病 / Siglec-G / 糖代謝 / 性差 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫制御に関わるCD52の肥満に伴う慢性炎症における機能的意義は不明である。閉経肥満早期の脂肪組織において、他の遺伝子に先行してCD52の発現変動が生じることを見出した。脂肪組織における炎症性と抗炎症性免疫細胞のバランスの欠如は肥満状態を悪化させ、2型糖尿病などの代謝疾患を誘発する起点となる。本研究では、高脂肪食負荷による食事性肥満モデルマウスにおけるCD52の欠損や補充が糖・脂質・エネルギー代謝や脂肪組織で慢性炎症に及ぼす影響を解析し、CD52が肥満病態の進展防止に果たす役割を検証する。肥満に伴う代謝疾患に対する治療法の向上に加え、肥満を未病状態で防止する新規対処法の創出をめざす。
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研究成果の概要 |
糖尿病を発症前の未病状態で捕捉することは予防・治療戦略に重要である。網羅的遺伝子変動の数理解析により見いだされたT細胞免疫を制御する未病候補因子CD52の肥満病態における意義を検証した。 CD52の発現は高脂肪食摂取による肥満マウスでの内臓脂肪で特異的に発現が増加した。高脂肪食を負荷したCD52欠損マウスの肝臓において、慢性炎症の指標であるTNFαとIL1βの発現は増加した。一方で、IFNγの発現は内臓脂肪組織で増加傾向を示した。また、CD52欠損により耐糖能の増悪が認められた。CD52は脂肪-肝組織連関による慢性炎症の制御を介して未病因子として働き、肥満病態の進展抑制に関わることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
病気の発症前状態である「未病」への対策は究極の予防医学であり、今後の医療に対する国家戦略と位置付けられている。本研究により、「未病肥満」の鍵因子CD52が、実際に2型糖尿病などの代謝疾患を未病状態で抑制 する生体防御因子であることが明らかとなり、本因子を標的とした未病状態からの介入の実現化に向けた研究が加速すると考えられる。また、本成果をプロトタイプとして、神経変性疾患やがんなど他の多彩な疾患の未病状態への介入法の開発研究に応用され、学際的波及効果は極めて高いと考えられる。
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