研究課題/領域番号 |
19K08999
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
谷一 靖江 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (50432331)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 制御性T細胞(Treg) / 2型糖尿病 / IL-7 / 制御性T細胞 / 糖尿病 / IL-7レセプター |
研究開始時の研究の概要 |
インターロイキン7(IL-7)はT細胞の生存維持に必須のサイトカインである。Tregはその他のT細胞とは異なり、生存をIL-2に依存しており、IL-7受容体(IL-7R)の発現が低いことが知られる。そのため、一般的にIL-7R lowはTregを単離するための細胞表面マーカーとして利用されているが、Tregに発現するIL-7Rの機能は明らかになっていない。 内臓脂肪に存在するTregは、2型糖尿病に伴うインスリン抵抗性を抑制するという重要な役割を担っている。本研究では、内臓脂肪に存在するTregに着目して、TregにおけるIL-7Rの機能解析を行う。
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研究成果の概要 |
内臓脂肪にはTregが多く、脂肪組織の炎症を防ぐことでインスリン抵抗性を抑制している。サイトカインIL-7はT細胞の生存維持に必須のサイトカインであるが、過去の報告から、TregはIL-7受容体(IL-7R)の発現が低く、生存維持もIL-7非依存性であることが示唆されていた。本研究で、内臓脂肪のTregは例外的にIL-7R発現が高く、Treg特異的IL-7R欠損マウスでは内臓脂肪のTregが減少することを見出した。これらの結果から、IL-7投与によって2型糖尿病が抑制されるメカニズムには、脂肪組織のTregが関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一般的に、TregはIL-7Rの発現が低いT細胞集団であると考えられている。しかし、インスリン抵抗性の発症抑制を担う内臓脂肪のTregはIL-7Rの発現が高く、生存維持にIL-7Rシグナルを必要としていることを明らかにした。また、IL-7投与により肥満に伴う高血糖を抑制できることが過去に報告されていたものの、このメカニズムは不明であったが、Tregがこれに寄与している可能性が示唆された。これらの結果は、2型糖尿病の新規治療法としてIL-7によるTregの生存支持が有効である可能性を示唆している。
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