研究課題/領域番号 |
19K09005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大野 晴也 広島大学, 医系科学研究科(医), 助教 (60725894)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 褐色脂肪細胞 / ベージュ脂肪細胞 / PPARα |
研究開始時の研究の概要 |
ベージュ脂肪細胞はエネルギーを熱に変えることにより消費する細胞である。ヒト成人においてこのベージュ脂肪細胞を増やしたり機能を活性化させることができれば、痩せやすいく血糖値が上がりにくい体質へと変えることができると期待される。ベージュ脂肪細胞は、寒冷刺激などで誘導することができるが、刺激がなくなるとすぐにその機能や性質を失ってしまう。本研究ではこのベージュ脂肪細胞の機能を維持することを目的とし、様々な薬剤や物資が脂肪細胞に与える影響やその詳細な機序を検討していく。
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研究成果の概要 |
熱産生脂肪細胞のひとつであるベージュ脂肪細胞は長期の寒冷刺激や薬剤投与によって白色脂肪細胞中に誘導されるが、分化刺激が失われると急速にその機能を失ってしまう。我々はベージュ脂肪細胞の機能維持において、核内受容体スーパーファミリーに属するPPARα(peroxisomeproliferator-activated receptor α)が熱産生関連遺伝子の発現を制御していることを明らかとし、さらに食事誘導性の肥満モデルマウスにおいて、PPARαアゴニストの投与が白色脂肪組織中のベージュ脂肪細胞の機能維持を可能とし、体重増加を抑制する作用を持つことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
長期の寒冷刺激やカテコラミン刺激により、ヒト成人においてもベージュ脂肪細胞は誘導され得ることが知られている。しかし長期間にわたるそれらの過剰な刺激は血圧上昇や心機能低下などを引き起こしてしまう。一度誘導されたベージュ脂肪細胞を維持することを目標とすることで、既知のベージュ脂肪細胞分化誘導経路とは別の機序で、かつ多臓器への影響は最小限に抑えることができるものと期待される。PPARαアゴニストは脂質異常症治療薬として広く臨床使用されている薬剤であり、本研究の知見でベージュ脂肪細胞における役割が明らかとなり、今後の肥満症や糖尿病治療への応用も期待される。
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