研究課題/領域番号 |
19K09008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
佐藤 叔史 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 助教 (90622598)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 糖尿病 / β細胞 / β細胞代償機構 / 低酸素 |
研究開始時の研究の概要 |
インスリン抵抗性時には、血糖を正常に保つためにβ細胞量を増加させインスリン分泌を亢進させる代償機構が働く。代償機構が破綻すると糖尿病が発症するが、この分子メカニズムは未だ不明である。申請者は代償性に肥大した膵島が慢性的な低酸素に曝されていること、さらに転写抑制因子BHLHE40とプロリン水酸化酵素PHD3が高発現していることを新たに見出した。本研究では、①慢性低酸素によるβ細胞障害性、②BHLHE40とPHD3の発現誘導および機能、③代償機構におけるBHLHE40とPHD3の役割、④BHLHE40およびPHD3を標的とした糖尿病治療の可能性について検討する。
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研究成果の概要 |
本研究課題において、慢性低酸素が膵β細胞の代償機構を調節する分子メカニズムについて 検討した。①低酸素誘導性の転写抑制因子BHLHE40は膵β細胞からのインスリン分泌低下に作用し、膵β細胞代償機構の破綻に寄与していた。②低酸素誘導性のプロリン水酸化酵素PHD3は低酸素下での膵β細胞増殖調節に働いており、膵β細胞代償機構に対しては保護的に働いている可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インスリン抵抗性が増大すると糖恒常性を維持するために膵β細胞量が増加しインスリン分泌を亢進させるような代償機構が働くが、この代償機構が破綻すると糖尿病が発症する。この膵β細胞代償機構の破綻の分子機序は未だ不明な点が多い。 研究実施者はBHLHE40とPHD3という分子が膵β細胞代償機構において重要な鍵因子であることを見出しており、これら分子の作用機序は全く不明である。BHLHE40やPHD3が膵β細胞代償機構を調節する分子機序を明らかにできれば、これら因子の活性や発現を調節するような薬剤開発が可能となり膵β細胞代償機構を持続させる糖尿病治療法の確立に繋がることが期待できる。
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