研究課題
基盤研究(C)
特別な誘因なくケトーシスになるketosis-prone diabetes(以下、KPD)におけるインスリン分泌低下が経年的に進行性であることを見出したことから、膵ベータ細胞破壊により発症する糖尿病である1型糖尿病に類似の病態を本疾患が有するのではないかという仮説を立てた。そこで今回、KPDに1型糖尿病において認められる細胞性免疫異常があるのかどうか、またその遺伝背景はどうかについて多数例で検討し、その病態解明を図ることを目指す。
肥満があるにも関わらず、特別な誘因なくケトーシスになる”ketosis-prone diabetes(以下、KPD)”は、糖尿病ケトアシドーシスの20%を占める極めて重要な病態である。われわれは、KPDが1型糖尿病と同様、インスリン分泌低下が経年的に進行性であり、膵島関連抗原特異的細胞性免疫異常、膵外分泌酵素異常を認めることを見出した。一方、HLA型は1型糖尿病の疾患感受性ではなく、外分泌組織に炎症を起こす自己免疫疾患に感受性であるDRB1*08:03が多いことを見出した。本研究の結果は、不均一な糖尿病の病態を細胞性免疫能にて整理し、新たな疾患概念の確立に寄与する可能性がある。
KPD(ketosis-prone diabetes)と通常のケトーシスを伴わない2型糖尿病の病態が異なり、1型糖尿病との異同が明確になることで、治療介入が変わり、患者の予後を大きく左右する可能性がある。したがって、本研究は、KPDを1型糖尿病のいわば「亜型」としてとらえようとする視点から非常に独創的であり、学術的に高く、また、適切な対応をしないと致命的になる糖尿病ケトアシドーシスを繰り返し起こすリスクの高いKPDの病態を解明することで糖尿病診療に寄与することは、社会的にも大きな意味を持つと考える。
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