研究課題
基盤研究(C)
GIPは、栄養素の刺激によって腸管内分泌K細胞から分泌され、膵β細胞上のGIP受容体 (GIPR)を介してインスリン分泌を促進する消化管ホルモン (インクレチン)である。またGIPは、高脂肪食負荷下の肥満とインスリン抵抗性形成に関与する。よってGIP分泌抑制を目的とした栄養素の探索は高脂肪食肥満やインスリン抵抗性の改善に有効と考えられる。申請者は中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)に着目し、MCTがGIP分泌を誘導しないことを見出した。本研究では、MCTがGIP分泌を抑制する機序を明らかにする。
脂肪の分解・吸収・蓄積に関わる消化管ホルモンGIPとCCKの分泌を抑制する栄養素として中鎖脂肪トリグリセリド(MCT)を同定した。MCTは長鎖脂肪酸トリグリセリド(LCT)摂取時のGIPとCCK濃度を抑制し、食欲抑制作用を有するGLP-1分泌を抑制しなかった。この機序は、中鎖脂肪酸が長鎖脂肪酸誘導性のGPR120を抑制することであった。MCTの摂取は高LCT食負荷肥満マウスの体重を抑制し、インスリン感受性を高めた。GIP欠損マウスの検討では、この作用は認めなかった。よってMCTはGPR120シグナル阻害を介してGIP分泌を抑制し、高脂肪肥満下の肥満・インスリン抵抗性を改善すると考えられた。
本邦では、高脂肪食を特徴とする食の欧米化を背景として、軽微な肥満であっても糖尿病を発症する患者が本邦で急増している。本研究から消化管ホルモン分泌制御を介した肥満・糖尿病治療のための新たな食品や創薬につながる可能性がある。
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