研究課題/領域番号 |
19K09027
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
湯浅 智之 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任准教授 (50304556)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 可溶性インスリン受容体 / インスリン抵抗性 / 妊娠糖尿病 / 女性ホルモン / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、インスリン受容体の切断が妊娠や癌といった糖尿病との関連が深いインスリン抵抗性関連疾患群を横断する普遍的な病態モデルであることを明らかにする。インスリン受容体はその細胞外ドメインが切断され血中に遊離している(可溶性インスリン受容体)が、細胞レベルではインスリン受容体の切断がインスリン抵抗性を招くことが明らかになっている。糖尿病が関わる疾患群においてインスリン受容体切断機構が横断的に存在することを実証し、その臨床医学的意義を明らかにすることにより新たな治療標的を提示する。
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研究成果の概要 |
可溶性インスリン受容体(sIR)はインスリン受容体をカルパイン2が細胞外で切断することにより産生され、γセクレターゼによる連続的な切断がインスリンシグナルを抑制することから血中sIRレベルはインスリン抵抗性に相関する。妊婦sIR値はエストロゲン値と正に相関し、in vitro系ではエストロゲンによるインスリン受容体の切断がインスリン抵抗性を招く。その分子機構は高グルコースによるものと共通でありエクソソーム系を促進したが、エストロゲンはカルパイン2発現量も増大させた。以上のことから、エストロゲンによるインスリン受容体切断の促進は妊娠期の糖尿病におけるインスリン抵抗性の病態を担う可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒトの糖代謝は複数のホルモンにより調節されており、その調整機構が破綻し血糖値の上昇が持続する疾患が糖尿病である。インスリン作用が減弱する病態であるインスリン抵抗性は2型糖尿病において良く知られているが、一方で妊娠やがん,アルツハイマー型認知症など糖尿病との関連が深い疾患群においてもそれぞれの病態に関係があるとされている。しかしながら、これら疾患群に共通する分子機構は明らかになっていない。本研究は我々が提唱する「インスリン受容体2段階切断によるインスリン抵抗性病態モデル」を妊娠期のインスリン抵抗性に拡張し、この成果は本病態モデルがインスリン抵抗性関連疾患群に共有されるものである可能性を示唆した。
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