研究課題/領域番号 |
19K09040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
松田 安史 藤田医科大学, 医学部, 准教授 (00455833)
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研究分担者 |
佐渡 哲 東北大学, 大学病院, 講師 (20396485)
大石 久 東北大学, 大学病院, 講師 (60451580)
野田 雅史 東北大学, 加齢医学研究所, 准教授 (70400356)
平間 崇 東北大学, 大学病院, 助教 (80510338)
岡田 克典 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90323104)
兼平 雅彦 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (90374941)
星川 康 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90333814)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 肺移植 / 肺保存 / 持続換気保存 / 代謝 / 組織代謝 / 臓器保存 / 肺換気 |
研究開始時の研究の概要 |
肺摘出後長時間臓器を保存するためには、摘出肺の代謝を維持しなければならない。低温肺保存中にも肺の細胞は代謝を行い、エネルギー(ATP:adenosine tri-phosphate)を産生し消費している。ドナー肺保存中には肺内の細胞は気道内の酸素を消費し、二酸化炭素を産生していると考えられる。長時間肺保存を行う場合には肺を構成する細胞が低酸素によるエネルギー不足にならないよう気道内に酸素を供給する目的で、低温保存中に摘出肺に人工呼吸を行う低温持続肺換気保存法(CVLP: continuous ventilated lung preservation)を開発し、その有効性を検討する。
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研究実績の概要 |
ブタ摘出肺を用いた実験群で、肺虚脱群(deflation群)、肺膨張群(inflation群)、持続換気群(ventilation群)に分ける。deflation群では摘出肺を虚脱したまま4℃で保存、inflation群では肺を膨張させたまま4℃で保存、ventilation群では人工呼吸器を用いて換気した状態で4℃で保存した。それぞれの肺を24時間保存した後、実験に供与した。24時間保存前後の組織中ATP濃度の測定を行った。各群の24時間保存後の肺組織1g中のATP濃度を求めたところ、24時間保存後の肺組織中ATP濃度はdeflation群およびinflation群で低下する傾向となり、ventilation群では上昇する傾向にあった。各群間における保存前後で有意な変化はなかった。保存前の3群間では有意差がなかったものの、保存後では、deflation群およびinflation群に比較して、ventilation群で有意に高値であった。これは、保存中に換気を行うことで保存肺での代謝が行われ組織中のATP濃度が維持されたことが示唆される。また、同様に保存前後の組織中乳酸濃度を検討した。肺保存前の組織中乳酸濃度に比較して、保存後の組織ではinflation群で組織中の乳酸濃度の上葉は認められないものの、deflation群およびventilation群では組織中乳酸濃度が有意に上昇した。また保存後の組織中乳酸濃度はinflation群に比較して、deflation群およびventilation群で有意に高かった。deflation群で乳酸濃度が高かったのは、嫌気性代謝が亢進して乳酸が酸性されたことが考えられた。また、ventilation群で乳酸濃度が高かったのは、保存中の換気運動により組織中の筋肉活動により結果乳酸が産生された可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
deflation群、inflation群、ventilation群の各群での肺保存を行い、それぞれの保存後の摘出肺を用いてブタに左片肺移植を行い、術後の経過と術後の血行動態を検討行っている。
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今後の研究の推進方策 |
deflation群、inflation群、ventilation群での肺保存を行った後に、レシピエントブタに対する左片肺移植を行い、その生存率と血行動態の検討を行う。また、保存後、移植後の肺を用いて、生化学実験としてreal time PCRを用いたmRNAの発現を検討する。発現を検討する因子としては、再灌流障害と関係のある、IL-6、IL-10、TNFalfa、TGFbetaを検討する予定である。
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