研究課題/領域番号 |
19K09043
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野村 元成 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40546909)
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研究分担者 |
奥山 宏臣 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30252670)
田附 裕子 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (10397698)
塚田 遼 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (70838747)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Wnt/beta-cateninシグナル / 癌幹細胞 / 抗癌剤抵抗性 / 小児悪性固形腫瘍 / 肺転移 / Ex vivo肺転移モデル / 骨肉腫 / 小児肉腫 / Wnt/beta-catenin / ALDH1 |
研究開始時の研究の概要 |
肉腫は、成人における悪性腫瘍の約1%に過ぎないが、小児においては約20%を占める。とりわけ、骨肉腫、横紋筋肉腫やユーイング肉腫は、かつては極めて予後不良な疾患であったが、集学的治療の進歩によって飛躍的に予後が改善した。しかし、肺などへの転移を伴うものは、転移を伴わないものに比べて未だに著しく予後が悪い。よって、転移に関与する因子を同定し制御することは、予後改善のためには必要不可欠である。 近年、Wnt/beta-cateninシグナルの活性化と癌の転移との強い関連が報告されており、肉腫におけるWnt/beta-cateninシグナルの治療標的としての可能性の模索および応用に重点を置いて研究する。
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研究成果の概要 |
骨肉腫は、小児期の骨悪性腫瘍の中で最も多い腫瘍であり、転移を来す症例の予後は極めて不良である。骨肉腫の増殖には、Wnt/βカテニン経路の活性化が深く関与しているが、そのメカニズムについては不明な点が多い。βカテニン選択的阻害剤の1つであるテガビビントは、成人癌に対する抗腫瘍効果が報告されているが、小児悪性固形腫瘍に対する抗腫瘍効果の報告はなされていない。今回、我々は、骨肉腫に対するテガビビントの抗腫瘍効果を、細胞株および患者腫瘍組織移植モデルを用いて検証した。さらに、Wnt/βカテニン経路がどのように転移巣にて活性化するかをex vivo肺転移モデルを用いて、その可視化を試みた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨肉腫などに代表される小児期に発生する肉腫は、多剤併用化学療法の進歩によって予後は大きく改善してきたが、転移を伴うものは、集学的治療をもってしても未だに予後が悪い。よって、転移に関わる因子の同定およびその制御が、予後改善のために非常に重要である。本研究では、肺転移巣内における肉腫の増殖過程およびWnt/βカテニン経路の関与をex vivo肺転移モデルにて可視化し、その制御が癌幹細胞に及ぼす影響についても検討した。これらの成果は、治療抵抗性を示す骨肉腫患者に対する新たな治療法の展望を拓くものであり、学術的意義および社会的意義は高いものと思われる。
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