研究課題/領域番号 |
19K09055
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 (2020-2021) 大阪府立大学 (2019) |
研究代表者 |
軸薗 智雄 日本医科大学, 医学部, 講師 (10465312)
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研究分担者 |
石橋 宰 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (70293214)
杉谷 巌 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (50465936)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 甲状腺濾胞癌 / 甲状腺細胞診 / ゲノムワイド分子診断マーカー / RNA / マイクロRNA / 分子診断マーカー / 分枝診断マーカー / 濾胞癌 / ゲノムワイド |
研究開始時の研究の概要 |
甲状腺癌の約5%を占める濾胞癌は、一般的に予後は良好であるが、中には生命予後に影響を与える危険度の高い群が存在する。しかし、現状では良・悪性の鑑別は病理組織診断でさえ困難なこともある。そこで、これらの問題を解決する高感度かつ特異的な診断バイオマーカーの開発が期待されている。本研究では、術前細胞診検体から抽出したRNAを用い、マイクロRNA 等の非蛋白質コードRNAも対象に含めたゲノムワイドトランスクリプト解析を実施し、臨床応用可能な甲状腺濾胞癌の癌死危険度診断マーカーを同定することを目指す。なお、蛋白質をコードするmRNA が同定された場合には、当該蛋白質の発現変動についても合わせて解析する。
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研究成果の概要 |
バイオマーカーや薬剤標的分子の候補を探索する目的でFFPE標本を使用し、ゲノムワイドトランスクリプトーム解析を実施した。また我々がこれまでマーカー候補に挙げたトランスクリプトについて濾胞癌および濾胞腺腫に対し発現解析をリアルタイムPCRで行った。その結果、新たな知見としてあるケモカイン様蛋白質をコードするmRNAのスプライスバリアントが濾胞癌において顕著に上昇することが判った。この特定のスプライスバリアントは濾胞癌において特異的に発現し、乳頭癌や濾胞腺腫ではほとんど発現しないことが示された。このことから、本スプライスバリアントは、濾胞癌特異的バイオマーカーとしての臨床応用が期待されている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、甲状腺濾胞癌から抽出したRNAを用い、臨床応用可能な癌死危険度診断マーカーとしての臨床応用への可能性を追求することを目的とした。その結果、新たな知見として約11 kDaのケモカイン様蛋白質をコードするmRNAのスプライスバリアントが濾胞癌組織において顕著に上昇することを明らかにした。本スプライスバリアントは、濾胞癌特異的バイオマーカーとしての臨床応用が期待されている。
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