研究課題/領域番号 |
19K09058
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
金田 英秀 日本大学, 医学部, 助教 (30598967)
|
研究分担者 |
松本 太郎 日本大学, 医学部, 教授 (50366580)
櫻井 健一 日本大学, 医学部, 研究医員 (20366602)
小沼 憲祥 日本大学, 医学部, 研究医員 (50553103)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 乳癌 / 脂肪細胞 / 癌微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
癌組織やその周囲には癌細胞以外の細胞が存在し、癌細胞との相互作用により癌周囲の環境が形成され、癌の増殖、浸潤、転移に影響を与えていることがすでに分かっている。乳癌は周囲に脂肪組織が豊富に存在するため、癌周囲の環境に脂肪細胞の関与が予想される。しかし、生体内における乳癌組織周囲の脂肪細胞の動きや働きについてはこれまでに明らかにされていない。 本研究では、脂肪細胞の運命を追跡することができるマウスで、乳癌モデルマウスを作成し、乳癌の増殖過程における脂肪細胞の動きや変化について明らかにすることで、新たな治療標的の発見や治療法の開発を行う。
|
研究成果の概要 |
乳癌微小環境における脂肪細胞の関与はいまだ明らかになっていない。本研究ではtdTomatoで脂肪細胞の運命追跡ができる遺伝子改変マウスに、マウス乳癌細胞株を移植し、移植腫瘍組織内のtdTomato(+)細胞の形質解析を行った。 移植から14日後の移植腫瘍組織内に脂肪細胞マーカー(-)でtdTomato(+)の「脂肪細胞由来線維芽細胞様細胞」が同定され、42.5%がペリサイトマーカー(+)で、35.2%が間葉系幹細胞マーカー(+)であった。以上から、乳癌微小環境において、脂肪細胞の一部がペリサイトや間葉系幹細胞の形質を獲得していることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脂肪細胞特異的レポーターマウスを用いて、脂肪細胞に由来する細胞が乳癌組織内に出現することは、これまでに報告されておらず、学術的意義の高い研究成果であると考える。脂肪細胞がPericyteや間葉系幹細胞の形質を獲得するメカニズムを今後解明できれば、乳癌に対する新規治療標的を発見する糸口となる可能性があり、社会的意義の高い研究成果であると考えている。
|