研究課題/領域番号 |
19K09065
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴木 貴 東北大学, 医学系研究科, 教授 (10261629)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 乳癌 / Th17細胞 / 好中球 / IL-17 / CLEC2D / 腫瘍浸潤好中球 / トリプルネガティブ乳癌 / 増殖 / リンパ球 |
研究開始時の研究の概要 |
腫瘍組織に浸潤するリンパ球は新たながん治療の重要なキーワードである。免疫チェックポイント阻害剤(リンパ球の抗腫瘍免疫活性を賦活化する治療薬)の標的細胞であることは勿論であるが、我々は「腫瘍細胞とリンパ球の相互作用によって増殖シグナルが惹起・伝達される可能性」に着目している。我々は乳癌の増殖促進因子としてCLEC2Dを見出しているが、この蛋白は乳癌組織に浸潤するTh17細胞のCD161分子と相互作用する。本研究ではCLEC2DとCD161の相互作用が乳癌の増殖に寄与する細胞内シグナルを伝達し得るか否かをモデル細胞系で検証するとともに、この相互作用の臨床病理学的意義を明らかにする。
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研究成果の概要 |
Th17細胞が乳癌細胞の増殖に与える影響について、乳癌細胞に発現するTh17細胞との相互作用関連蛋白CLEC2Dの臨床病理学的発現意義の解析および培養細胞を用いた機能解析ならびにTh17細胞の浸潤の臨床病理学的意義の解析により検討した。 CLEC2Dは乳癌細胞の細胞膜および細胞質に発現し、CLEC2D陽性症例は有意に増殖能が高く予後不良であることが分かった。また、Th17細胞の浸潤はトリプルネガティブ乳癌において特に予後不良因子で、乳癌組織への好中球への浸潤を促している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
乳癌を含む固形腫瘍にはTh17細胞がしばしば浸潤しているが、その意義はこれまで十分明らかでなかった。本研究ではTh17細胞が乳癌細胞に発現するCLEC2Dを介して乳癌の増殖を促している可能性、ならびにIL-17Aが乳癌組織への好中球の遊走を促進している可能性が明らかとなった。これらの成果は乳癌の治療抵抗性メカニズムの解明や新規治療標的の探索に居するものと考えられ、他の癌腫への応用も期待されると考えられる。
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