研究課題/領域番号 |
19K09079
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
佐治 重衡 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80446567)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 乳癌 / NEDD4 / E3 リガーゼ / ER / breast cancer / ホルモン療法 / タンパク質分解 / HER3 / ホルモン受容体 |
研究開始時の研究の概要 |
“ホルモン受容体陽性乳癌におけるHER3の分解制御因子の解明と治療効果との相関性” 標的分子の発現量は、分子標的薬の効果を予測する重要な因子である。しかし、最近開発が進む抗体-抗がん薬複合体薬(ACD) では、標的が低発現でも明らかな効果を示す臨床試験結果が次々と報告されている。これは、ACDでは細胞内への標的分子の取り込み・分解効率がよい場合(発現量としては低くなる)も効果が見られることを反映している可能性がある。このような分解制御機構と分子標的治療薬の関連性はこれまで検証されたことがない。本研究では、分解制御機構と分子標的治療薬の効果の関連性を検証することを目的に計画を立案した。
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研究成果の概要 |
HER3とERの分解に関わるE3 リガーゼの1つであるNEDD4が、ホルモン受容体陽性HER2陰性早期乳癌患者群の予後予測因子になる可能性を見出した。この働きはHER3を介したものではなく、ER発現量の蓄積を介していると考えられた。NEDD4ノックダウン乳癌細胞株 (MCF-7, T47D) では、エストロゲン欠乏や、タモキシフェン刺激に対してより強く細胞増殖抑制が認められた。NEDD4発現は、ホルモン受容体陰性早期乳癌患者群では予後予測因子にならなかったことから、ホルモン療法の感受性亢進を介した、予後予測因子(ホルモン療法の効果予測因子)としての役割を果たしていると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ホルモン療法は乳癌患者さんの約70%で使用される重要な治療薬です。このホルモン療法はエストロゲン受容体(ER)を介して効果を発揮しますが、本研究では乳癌細胞内のERの分解を促進するE3リガーゼ のNEDD4に注目し、その役割を検討しました。結果として、NEDD4が少ない乳癌では、ERの量が高く維持されることによって、ホルモン療法の効果が良くなることがわかりました。また実際の患者さんの乳癌サンプルで検討すると、NEDD4が少ない乳癌では、再発が少なく、予後も良いことが確認できました。今後は、NEDD4の発現制御や機能制御により、ホルモン療法の効果を高めることができないかを検討していきます。
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