研究課題/領域番号 |
19K09097
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
桐野 浩輔 九州大学, 大学病院, 助教 (00621707)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 神経芽腫 / 染色体異常 / MYCN増幅 / ヒト多能性幹細胞 / 交感神経細胞 / 小児外科学 / ES細胞 / iPS細胞 / CRSPR/Cas9 / 神経芽種 / 発がん / ゲノム編集 |
研究開始時の研究の概要 |
小児難治性固形悪性腫瘍である神経芽腫は交感神経や副腎髄質から発生するが、その機序について不明な点が多い。ヒト多能性幹細胞を交感神経へと分化誘導しがんへと形質転換させることで、既に出来上がったがんの解析からは得られない、腫瘍発生に関わるダイナミックな動態を捉えることが出来ると考えた。 神経芽腫で頻度が高く予後不良因子として知られる、MYCN遺伝子の増幅や1番染色体の欠失といった染色体上の変化を人工的に導入することで、ヒト多能性幹細胞由来交感神経細胞を神経芽腫へと変化させる、画期的な腫瘍発生モデルを提示するとともに、1番染色体上に存在すると考えられるがん関連遺伝子を同定し発がん機序の解明に挑む。
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研究成果の概要 |
神経芽腫の発生機序については、散見される染色体異常ががんの発生・増殖・維持にどのように関与しているのかが不明である。 既に出来上がったがんの解析からは得られない腫瘍発生に関わるダイナミックな動態を捉えために、ヒト多能性幹細胞由来交感神経にMYCN遺伝子増幅と1番染色体短腕の部分欠失を導入して、in vitro腫瘍発生モデルの開発を試みた。ヒト多能性幹細胞由来交感神経はMYCNの導入により速やかに細胞死をきたすことがわかった。また、染色体欠失の導入を行うシステム開発としてCRSPR/Cas9による染色体欠失導入システムを構築し、HeLa細胞における1p36領域28Mbpの欠失を導入し得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多くの小児悪性腫瘍は、遺伝子および染色体に生じた変化が観察されているにもかかわらず、その腫瘍発生メカニズムが十分に解明されていない。腫瘍発生における染色体に生じる変化は極めて重要であり、単一の遺伝子ではない、より広範な領域における染色体変化を人工的に模倣する方法は、がん発生を理解する上で極めて重要であると考える。 また、ヒト多能性幹細胞を用いたin virtoにおけるがん発生モデルは、腫瘍発生の各ステップで生じた種々の変化を正確にcaptureすることを可能にすると考えられる。 本研究で用いた種々のシステムは、多くの腫瘍に対して応用可能なプラットフォームとなりえると考える。
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