研究課題/領域番号 |
19K09101
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
丹藤 創 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80423870)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | CDH / lung hypoplasia / primary cilia / 先天性横隔膜ヘルニア / 気管支軟骨 / 一次繊毛 / 気管軟骨 / 低形成肺 |
研究開始時の研究の概要 |
先天性横隔膜ヘルニア(CDH)に合併する低形成肺は、CDH患児の最も重要な死因の一つである。本研究では、CDH低形成肺の気道軟骨や平滑筋に着眼し、これら間葉系組織の異常が呼吸障害の一因になっているとの仮説を検証する。具体的には、 (1) ヒトCDH剖検肺を用いた気管支軟骨・平滑筋の組織計測学的解析 (2) 網羅的遺伝子発現解析による気管・気管支軟骨、平滑筋細胞分化に関わる新たなマ-カ-検索とそれらを用いたCDH病態解明 (3)CDHモデルラットを用いた気道平滑筋の発生学的形態・機能異常の検証 を行い、今後の新たなCDH胎児治療法開発へと展開し得る基盤的研究を行う。
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研究成果の概要 |
先天性横隔膜ヘルニア(CDH)に伴う肺低形成の病態解明のため、ヒトCDH剖検肺の解析を行い、肺内気管支軟骨の異常を明らかにし、論文化した。次に、軟骨形成異常を示すニトロフェン誘発CDHラットE18胎仔気管を用い、 bulkのRNA-seq解析を行い、CDH群において、有意な繊毛関連遺伝子群の発現低下を認めた。また、異常軟骨において、一次繊毛は短縮していた。さらに、E18胎仔気管を用いて、PIC法を行い、異常軟骨におけるMAPKAP1(SIN1)やpAKTの発現低下を見出した。CDHに伴う軟骨形成異常には、一次繊毛やmTOR2シグナリング経路が関与していると推察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先天性横隔膜ヘルニア(CDH)の重症度は、肺低形成の程度によって左右される。近年、救命率は向上しているが、依然として約20%の重症例は救命できていない。我々は、肺内気管支軟骨の異常が、CDHに伴う肺低形成の病態に深く関与していることを明らかにし、その病因として、一次繊毛の異常があることを示した。CDHの病態を繊毛の異常という観点からとらえなおすことは、新規治療法を考える上で、意義がある。
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