研究課題/領域番号 |
19K09107
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
|
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
辻 昭一郎 東邦大学, 医学部, 非常勤研究生 (70726736)
|
研究分担者 |
桑原 卓 東邦大学, 医学部, 准教授 (40385563)
田中 ゆり子 東邦大学, 医学部, 講師 (40396685)
近藤 元就 東邦大学, 医学部, 教授 (20594344)
森田 勇人 城西大学, 理学部, 教授 (50274303)
羽賀 博典 京都大学, 医学研究科, 教授 (10252462)
上本 伸二 京都大学, 医学研究科, 教授 (40252449)
加藤 悠太郎 藤田医科大学, 医学部, 教授 (70265833)
犬飼 美智子 藤田医科大学, 医学部, 助手 (00839186)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 免疫寛容 / 移植 / マウス / アデノ関連ウイルス / 制御性T細胞 / リンパ球キメラ / PD-1 / IDO産生細胞 / ドナー特異的 / 肝移植 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫抑制剤などの進歩により移植医療の成績は向上した。しかし免疫抑制剤による移植後の拒絶反応の制御は臓器提供者(ドナー)の抗原に対してのみならず外来微生物に対する免疫反応も抑制するため、免疫反応の制御が難しく、免疫抑制剤自身も腎毒性などの副作用があるため、ドナー抗原特異的な免疫制御が望まれている。 本研究ではドナーの抗原に対してのみ免疫反応がおきないドナー特異的免疫寛容が自然に成立するマウス肝移植モデルとアデノ関連ウイルスを用いてドナー特異的免疫寛容を導入するモデルを組み合わせることによりドナー特異的免疫寛容の機構を解き明かそうとしており、将来の免疫抑制剤を使用しない移植医療を目指している。
|
研究実績の概要 |
2021年度に作成した2種類のプラスミド(H2-KdまたはGFPのコーディングシークエンスを改変pAAVベクターに挿入したプラスミド(2020年度成果報告書参照))それぞれについてpRCベクター、pHelperベクター(いずれもAAVpro Helper Free System (AAV2): タカラバイオ)とともに無血清DMEM培地中で混合したものにTransIT-293 Trasnsfection Reagent を添加し、あらかじめ播種しておいたHEK293T細胞へのトランスフェクションを行った後さらに数日培養を行うことで、AAV産生細胞を作出した。 得られた細胞を回収後、 AAV Extraction Solution (タカラバイオ)を用いてAAVベクターの抽出を行った。抽出したAAVベクターはAmiconTM Ultra-4 50 KDa (ミリポア)を用いて濃縮後、AAVpro Titration Kit (for Real Time PCR) Ver.2を用いてウィルスのタイターを測定し、マウスへの遺伝子導入実験に使用可能なウィルスベクター濃度であることを確認した(>107 vg/micro L)。 得られた精製AAVベクターは1頭当たり200 micro L をC57/BL6マウス(雌6週齢)に尾静脈より投与し、その後継続して飼育することで肝臓へ目的遺伝子が導入されたC57/BL6マウス作製を試みた。 マウスの同所肝移植による肝障害の程度と拒絶の程度を計測や血中酵素のELISAおよび組織の免疫染織法を用いて検討した。また血中の発現タンパクの増減についても検討をおこなった。また虚血後の再灌流障害の程度についてもUW液の有無による違いを検討した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究者自身が新型コロナウイルスに感染した。また研究者が勤務している病院において新型コロナウイルスのクラスターが3回に渡り発生したため、相当期間、研究ができなかったため、研究の進行が大幅に遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度終了時点で、投与が完了したところであったため、2023年度は4か月経過ごろまで継続して飼育を行い、GFPのマウス肝臓での発現レベルをGFPの蛍光を指標して観測することで、H2-Kd の発現が十分に行われているかを確認する予定である。 また、H2-Kd の発現レベルを直接観測するシステムとして、H2-Kd の下流にルシフェラーゼを導入したAAVの作製ならびに遺伝子導入マウスの作製も並行して進める予定である(発現レベルの確認は城西大学に既設のIVIS システムを用いて行う予定)。なお、ルシフェラーゼの共発現系は、肝臓でルシフェラーゼに対する抗体も生産されると予測されるため経時的な導入遺伝子産物の蓄積レベルのモニタリングには使用可能であるが、免疫寛容の実験には、H2-Kdのみを発現するマウスを用いて行うことが必須であると考える。 さらにC56BL/6マウスにはMHCとしてH2-Kbが発現しているが、これをH2-Hdに置換したC56BL/6-Kdマウスをノックインの手法にて作成する予定である。 これらを用いて、免疫寛容におけるPD-1の役割について検討を行う。また制御性T細胞やIDO産生細胞を抗体などにより抑制することによりこれらの免疫寛容における働きについても検討する。 H2-Kd導入マウスにおいてはリンパ球キメラの状態となる。これらのキメラ発生のメカニズムをそれぞれのMHCの発現量あるいは関連タンパク量の増減にて検討する。またマウスの同所性肝移植によりマウスの肝臓よりH2-Kdを除去し、免疫寛容における肝臓の役割と免疫寛容維持のメカニズムを検討する。
|