研究課題/領域番号 |
19K09113
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大塚 将之 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90334185)
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研究分担者 |
高野 重紹 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (20436380)
久保木 知 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (50571410)
中台 英里 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60831500)
三島 敬 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (70802560)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 肝内胆管癌 / 癌源細胞 / Notchシグナル / Wntシグナル / 上皮間葉転換 / stemness / 癌間質微小環境 / p-FAK / Notch / Wnt / 微小環境 / 肝細胞 / 胆管細胞 / 可塑性 / 癌間質 |
研究開始時の研究の概要 |
肝細胞・胆管細胞間の形質転換,肝内胆管癌源・癌細胞の肝細胞系性質の獲得という事象が示されているが,それに必要なNotchやWntシグナルが活性化するためには癌細胞と癌間質細胞のcrosstalkが必要である、という点に着目し,癌間質微小環境を制御することで肝内胆管癌を肝細胞系腫瘍に分化誘導させられないか,を検討する。そのために,臨床検体を用いてそれらの動態を評価するとともに三次元細胞培養やマウスモデルを用いて癌細胞と間質細胞の相互作用を評価する。
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研究成果の概要 |
肝内胆管癌症例の56%にNotch2発現が,72%にLGR5発現が認められ,Notch2は肝内胆管癌細胞をより成熟した胆管細胞様に分化させる方向に働き,その悪性度を低下させているのに対し,LGR5は肝内胆管癌細胞のstemnessに関与し,悪性度を高めていることが示唆された。また,WntシグナルはEMTやstemnessの獲得に関与し,肝内胆管癌において癌源細胞の誘導あるいは維持に重要な役割を果たしていることが示唆された。さらに肝内胆管癌症例の60%にp-FAK発現がみられ,それらの予後は不良であることを明らかにするとともに,p-FAKがCAFの活性化に関与している可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝内胆管癌は,生物学的多様性に富む腫瘍であり、その予後も症例によって大きく異なる。本研究ではそのような疾患に対し,その異なる悪性度を引き起こすメカニズムを癌細胞の分化動態に注目し、Notch シグナルとWntシグナルがその過程に重要であることを明らかにした。また、癌間質微小環境のCAFの活性化が本疾患の悪性度を高め、そこにはp-FAKの発現が重要である可能性を見出した。これらは本疾患に対する新たな治療法開発の基礎となるものと考えられた。
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