研究課題/領域番号 |
19K09131
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
宮戸 秀世 自治医科大学, 医学部, 講師 (90813163)
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研究分担者 |
北山 丈二 自治医科大学, 医学部, 教授 (20251308)
細谷 好則 自治医科大学, 医学部, 教授 (30275698)
大澤 英之 自治医科大学, 医学部, 講師 (60458271)
井上 賢之 自治医科大学, 医学部, 講師 (80375279)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 好中球細胞外トラップ / 腹膜播種 / 免疫 / エクソソーム / 活性化T細胞 / CXCL11 / ケモタキシス / プロテアーゼ阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
好中球細胞外トラップ(NETs)は、遊離癌細胞を捕捉しがん転移を促進する可能性があることが示唆されている。申請者らは、ヒト腹腔内滲出好中球由来のNETsがヌードマウスにおける腹膜播種の成立を促進し、DNAseによるNETsの分解で播種再発が予防できる可能性を示唆する結果を得た。本研究では、T細胞とマクロファージの機能に対するNETsの作用をIn vitroで検討するとともに、免疫能を有するマウスの腹膜播種モデルでも、NETsが同様の播種増強効果が発揮しうるか?を検証する。また、この実験系に癌細胞由来エクソソームを共存させることで、上記の現象に如何なる変化が見られるか?についても検討を加える。
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研究成果の概要 |
今回、好中球細胞外トラップ(NETs)が腫瘍微小環境において免疫細胞の挙動および抗がん剤の作用に与える影響を調査した。NETsは、末梢血単球のM1マクロファージへの分化を促進する一方、好中球エラスターゼ、セリンプロテアーゼ依存性にCXCL10, CXCL11といったケモカインを分解することにより、リンパ球の遊走を阻害することが判明した。また、NETsは、アドリアマイシン、パクリタキセルといった抗がん剤をトラップすることにより、抗がん剤の拡散および腫瘍内への浸透を阻害して、抗がん剤が誘導する癌細胞のアポトーシスを抑制し、抗腫瘍効果を減弱させる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NETsは腫瘍微小環境において、リンパ球の腫瘍内への浸潤を阻害し抗腫瘍免疫を抑制したり、腫瘍内への抗がん剤の浸透を阻害することにより、複合的に腫瘍の進展を促進する作用を有する可能性が示唆された。以上の結果から、DNAseや好中球エラスターゼ阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤などNETsの作用を阻害する薬剤を使用することにより、リンパ球の腫瘍内への浸潤や抗がん剤の腫瘍内への浸透性を高める新たな治療法の開発の可能性が示唆された。
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