研究課題/領域番号 |
19K09173
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
白川 靖博 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (60379774)
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研究分担者 |
野間 和広 岡山大学, 大学病院, 講師 (10534761)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 癌微小環境 / 癌関連線維芽細胞 / 化学療法 / 放射線療法 / がん微小環境 / 食道癌 / 放射線治療 / 治療抵抗癌 |
研究開始時の研究の概要 |
岡山大学にて根治切除された食道癌患者の切除標本を用いて化学療法および放射線化学療 法後のCAFs発現を臨床病理学的に解析する。続いて正常線維芽細胞を用いて標準治療である化学療法や放射線治療によるCAFs化を定量化する。またCAFs化した線維芽細胞がどのように癌細胞に貢献するのかin vitroにて検討する。in vivoではCAFs化した線維芽細胞と正 常線維芽細胞また癌細胞単独での腫瘍増殖や転移の検討を行う。最終段階ではPITを用いてin vitroでの上乗せ効果を検討し、in vivoではCAFsに対するPhotoimmunotherapy (PIT) を用いてCAFsを標的とした前治療の標準的治療への上乗せ効果を検討する。
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研究成果の概要 |
in vitroにて食道線維芽細胞に化学療法や放射線治療を加えmyofibroblastへの分化の有無を検証した。αSMA,FAPの発現が上昇し,抗腫瘍治療によるmyofibroblastへの分化誘導が示唆された。放射線照射した線維芽細胞により癌細胞株の増殖能および放射線感受性が上昇する傾向がみられた。Invasion assay,Migration assayにて浸潤・遊走能が上昇し,特に扁平上皮癌細胞株で遊走能が有意に上昇した。治療誘導性CAFsの上清をサイトカインアレイにかけ正常線維芽細胞と比較した。特にIL6に関しては種々の細胞株においても上昇を認め再現性を確認できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、標準的治療が副次的にCAFsの作用増強に繋がっている可能性が示された。現在の標準的治療の治療前に我々の開発してきたPIT治療などCAFsを標的とした治療を施すことで、さらに治療効果を上乗せする革新的な癌治療の開発に繋がると予想される。既に食道癌に限らず膵癌や大腸癌など他の固形癌においてもCAFsの同様な知見が多数得られており、今後多くの癌腫に対応できる大きな可能性を秘めており極めて研究意義の高いものと考えている。
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