研究課題/領域番号 |
19K09175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮坂 義浩 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40507795)
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研究分担者 |
寅田 信博 九州大学, 大学病院, 臨床検査技師 (00398075)
森山 大樹 九州大学, 大学病院, 准教授 (70586859)
大内田 研宙 九州大学, 大学病院, 講師 (20452708)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 膵癌 / desmoplasia / drug delivery system / ナノ粒子 / 免疫細胞 / DDS |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌は組織学的にdesmoplasiaと呼ばれる過剰な間質増生が特徴である、膵癌間質は組織圧が高く乏血性でかつ細胞外基質が豊富なため薬剤送達効率が低く、治療抵抗性の一因となっている。しかし、薬剤送達効率の悪い膵癌間質においても免疫細胞は豊富に存在する。本研究ではこの膵癌間質に豊富に存在する免疫細胞を膵癌治療薬のキャリアとする新たなDrug delivery system (DDS)を開発することで薬剤送達効率を向上させ、安全かつ効率的な膵癌の治療法を開発する。
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研究成果の概要 |
膵癌は豊富な間質増生を特徴とし、間質の組織圧が高く乏血性であることや、間質が物理的障壁となることで癌細胞への治療薬剤送達を阻害しているという問題がある。 本研究では、膵癌間質組織に特異的に送達することができるナノ粒子によるdrug delivery systemを開発し、マウスモデルで膵癌の間質制御作用のあるchloroquineを、通常の5分の1という低用量で安全かつ確実に投与可能とすることに成功した。これにより間質制御が可能となり、さらにgemcitabineを併用することで、腫瘍縮小効果が得られることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は発見時に進行しており、化学療法が必要となることが多いが、現在その効果は限定的である。その原因として薬剤送達の障壁となる間質増生が顕著であり、単に血流を介したdrug delivery systemでは十分な効果は得られていない。 本研究では、ナノ粒子によるdrug delivery systemを介してchloroquineを投与することで間質を制御しつつ、抗癌剤を投与することで効果を上昇させることに成功した。この手法を取ることで他の薬剤への応用も可能と考えられ、臨床的意義があるものと考える。
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