研究課題/領域番号 |
19K09179
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
木村 康利 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (80311893)
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研究分担者 |
今村 将史 札幌医科大学, 医学部, 講師 (00404608)
永山 稔 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40398326)
山口 洋志 札幌医科大学, 医学部, 診療医 (80457704)
竹政 伊知朗 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50379252)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 膵癌 / リキッドバイオプシー / 術後再発 / ctDNA / ゲノム異常 / 微小残存病変 / モニタリング / actionable mutation / circulating tumor DNA / 転移 / 再発 |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌患者血液のリキッドバイオプシーによる腫瘍特異的ゲノム異常が、術後再発転移の超早期バイオマーカーと成り得るか?との問いを検証する。併せて、術後再発高危険患者の臨床的再発確定前の治療介入を行う事が、患者個々のアウトカムを個別化治療として改善するかを検討する。さらに、得られた治療標的となりうる (actionable)変異について、膵癌細胞と正常膵管上皮細胞培養系を用いた機能解析から、膵癌術後再発・転移過程へ如何に関与するかについての機序を探索する。
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研究実績の概要 |
2019年5月より2021年9月までに膵管癌にて根治切除が行われた145例を解析した。対象症例の性別(男女)は75/70例、年齢71歳(中央値)、腫瘍局在(Ph/b/t)は 99/36/10例であった。血漿は未治療群71名 (手術先行+NAT前)とNAT後74名から採取した。ゲノムプロファイリングにはNGSとddPCRを用いた。1) 切除標本の腫瘍 情報に基づくアプローチ (tumor-informed approach, TIA; 腫瘍と一致する低頻度変異を陽性と扱う)によるctDNA検出率、2) 術前後ctDNAと臨床病理学的因子、 腫瘍学的転帰を検討した。 結果 1) 腫瘍組織における体細胞変異を85% (123/145例)に認め、TIAによりctDNA検出率は未治療群56% (40/71)、NAT後群36% (27/74)と有意に向上した (p= 0.0165)。2) pM1 (n=10)症例においてctDNAを高率に検出した (p=0.026)が、pTN, pStageに差はなかった。腫瘍と一致する術前ctDNA陽性例のRFSは有意に短縮し た (13.4ヶ月 vs. 未到達, p=0.001)。術後100例のモニタリングマーカー (25遺伝子, 230変異)を監視し、40例にKRAS (26例/26変異)、TP53 (16 /18)、GNAS (2/2)、EGFR、FGFR3、SMAD4、SMO (それぞれ1/1)が陽性となり(重複あり)、53例が再発した。術後ctDNA陽性例は陰性に比較して高率に再発し (35/40 vs. 18/60 例, p<0.001)、RFSは有意に短縮した (9.8ヶ月 vs. 未到達, p<0.0001)。 膵癌のctDNAは、腫瘍情報ににより検出率が向上し、診断時予後不良と、術後再発のバイオマーカーとなる可能性が示唆された。
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