研究課題/領域番号 |
19K09181
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所) |
研究代表者 |
廣島 幸彦 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 臨床研究所, 部長 (60718021)
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研究分担者 |
黒滝 大翼 横浜市立大学, 医学部, 講師 (10568455)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 膵癌 / 微小環境 / PDX / オルガノイド / 遺伝子発現 / SMAD4 / 腫瘍免疫 / 癌微小環境 / TGFβ |
研究開始時の研究の概要 |
TGFβシグナリングが膵癌腫瘍内免疫機構に深く関与していることに着目し、癌間質のプロテオーム解析の結果から標的分子を同定した。本研究では、膵癌のTGFβシグナリングによる免疫逃避機構を解明し、TGFβシグナルを標的とした新規治療薬の開発の可能性を追求することを目的とし、2種類の膵癌マウスモデル(humanized PDXモデル、KPC mice)にTGFβ阻害薬、Proteasome阻害薬を投与し、腫瘍間質の免疫細胞群のPopulationと発現分子の変化をFACSとRNAseqで解析し、腫瘍内免疫機構におけるTGFβシグナルの制御因子を同定する。
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研究成果の概要 |
切除検体を用いた膵癌間質のプロテオーム解析から同定した膵癌間質発現変動蛋白と公共データベースから同定した膵癌細胞の発現変動遺伝子を用いてインタラクトーム解析を実施し、8つの重要な相互作用を同定した。そのうちFN1/ITGA3は、臨床検体を用いた裏付け実験で、組織における発現が独立した予後不良因子として選択された。 膵癌PDXの遺伝子発現データから移植片由来(癌細胞)のリードを分離した。早期再発例と晩期再発例の2群間の発現変動遺伝子群のうちNFATに着目し、NFATc2,5の発現を免疫組織化学で検討した結果、NFATc2/NFAT5共発現がOSに関する独立した予後不良因子であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌では癌の微小環境(TME)の増生が顕著であり、TMEの構造は癌細胞によって積極的に構築され、様々な側面から癌の進展(増殖、生存、浸潤、転移)を促進させていることが知られており、癌細胞とTMEとの相互作用は癌治療の新たな標的として注目を集めている。 本研究では、膵癌間質組織のマイクロダイセクション検体のプロテオーム解析データやPDXの解析データを使用し、癌細胞とTMEの発現分子を別々に検討し、インタラクトーム解析(独自の相互作用データベースに照会すること)により、真に標的とすべきシグナル伝達経路、相互作用が同定され、膵癌の新規治療薬の開発に重要な知見が得られたと考えられる。
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