研究課題/領域番号 |
19K09213
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
山本 真義 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (70397420)
|
研究分担者 |
竹内 裕也 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20265838)
倉地 清隆 浜松医科大学, 医学部, 助教 (20397384)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 炎症性腸疾患 / 炎症性発癌 / 間葉系幹細胞 / 線維芽細胞 / 間質系細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでに,間質に存在する線維芽細胞から分泌されるTanascin-CがCAC発癌に強く関与していることを示した.この研究成果から,間質系細胞を標的とするCAC予防戦略は極めて有効であることが示唆される.本研究では 炎症性発癌におけるMSCの役割に着目し,発癌や進展への関与を明らかにすることを目的とする.CAC発癌は間質細胞の関与が極めて大きいと考えられているが,間質細胞の中でもっとも癌の進展に関与していると言われるMSCに着目した研究はこれまでにない.周囲の微小環境を標的としたCACの発癌予防に繋がる新しい治療戦略を構築することが可能となれば,IBD患者の予後向上に大きく寄与できる.
|
研究成果の概要 |
RNAシークエンス解析結果から,BMPsとその受容体ACVR1,下流の遺伝子(id1,3)など,腸管粘膜の向上性維持に関与する遺伝子の発現が亢進しており,CAC発生への関与が示唆された.そこでBMP5とBMP6の発現を免疫組織化学染色にて解析したところ,Dysplasiaの陰窩底周囲の間質組織でのBMP1,5,8蛋白の発現亢進を確認した.BMPsはSmad経路を介したid1,id3などの発現に関与していることが知られており,腫瘍粘膜下間質組織でのid3蛋白の発現亢進もIHCにて確認した.これらの結果から,間質細胞におけるBMP-id経路の活性化がCAC発癌に関与していることが示唆された.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌間質には線維芽細胞の他にも免疫担当細胞や内皮細胞など様々な細胞が存在し,それらの中には間葉系幹細胞から分化したものが多く含まれている.CAC発癌は通常発癌よりも間質細胞の関与が極めて大きいと考えられているが,間質細胞の中でもっとも癌の進展に関与していると言われる間葉系幹細胞に着目した研究はこれまでにない.本研究の成果は,周囲の微小環境を標的としたCACの発癌予防の新しい治療戦略に発展する可能性がある.近年増え続ける潰瘍性大腸炎患者の予後延長につながり,その社会的意義は大きい.
|