研究課題/領域番号 |
19K09225
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
鯉沼 広治 自治医科大学, 医学部, 准教授 (20382905)
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研究分担者 |
北山 丈二 自治医科大学, 医学部, 教授 (20251308)
堀江 久永 自治医科大学, 医学部, 教授 (20316532)
田原 真紀子 自治医科大学, 医学部, 助教 (30406102)
井上 賢之 自治医科大学, 医学部, 講師 (80375279)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 直腸癌 / 免疫放射線療法 / Abscopal Effect / 肺転移 / メトホルミン / Abscopal Effect / アデノシン |
研究開始時の研究の概要 |
がん組織には特殊な代謝系が存在し、免疫細胞がその機能を十分に発揮できない環境にあることが示唆されている。放射線照射によって、腫瘍が崩壊するとさらに変化が加わることが予想される。そこで、本研究では、自然肺転移をきたす大腸癌マウスモデルを用い、局所照射+抗PD-1抗体併用治療に代謝に関連する二種の免疫賦活作用物質、アデノシン阻害剤、メトホルミンを上乗せすることにより、その治療効果の如何なる変化が得られるか?を動物実験で検証し、ヒトに応用できる実用的な免疫放射線療法の治療プロトコールを見出すことを最終目的とする。
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研究成果の概要 |
マウス大腸癌高肺転移株LuM1を用いて、遠隔転移を持つ大腸癌モデルを作成し、このモデルを使用して、メトホルミンを併用した免疫放射線療法の研究を行った。原発巣は放射線照射により有意に縮小していたが、肺転移巣には効果が認められなかった。しかし、放射線療法にメトホルミンを併用することで、遠隔巣の肺転移にも縮小効果が認められた。この機序の一因として、脾臓細胞のフローサイトメトリーと肺転移巣の免疫組織化学染色を行ったところ、脾臓細胞中のT細胞のIFN-g産生能とNK細胞、G-MDSCが関与していた。また肺転移では、NK細胞、G-MDSCが肺転移の抑制に関与していることを示す事ができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大腸癌は罹患数、死亡率ともに上位を占めている疾患の一つである。遠隔転移がある場合、きわめて予後が不良である。術前の放射線療法が局所再発率の低下につながるようになったが、遠隔転移に対する効果は認められていない。糖尿病治療薬メトホルミンの抗腫瘍効果が注目されており、宿主の免疫応答に関与することが報告されている。本研究ではメトホルミン併用による免疫放射線療法の効果とその機序の一因を示す事が出来た重要な研究結果である。
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