研究課題/領域番号 |
19K09226
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
福山 隆 北里大学, 北里大学メディカルセンター, 室長補佐 (10462251)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 前がん抗原 / 胃癌 / 前癌 / 癌/精巣抗原 / MAGE-A1 / KK-LC-1 / Helicobacter pylori / 癌/精巣抗原 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、Helicobacter pylori感染により一部の癌/精巣抗原(Cancer/testis antigen, CTA)は悪性形質を獲得する前(前癌)から発現することを明らかにした。すなわち、CTAはがん免疫療法のみならず、前癌診断に有用な標的となりうる。しかしながら、CTAを発現する前癌病変の詳細ならびに発癌との関連性については未だ明らかにされていない。本研究課題では、臨床胃癌症例の前癌領域におけるCTAの発現様式を解析し、各前癌病変におけるCTAの発現と発癌の関連性を明らかにする。この証明により、CTAを利用した胃癌の高精度リスク診断の開発が可能となる。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、臨床胃癌症例の胃の非腫瘍領域におけるKitakyushu lung cancer antigen-1 (KK-LC-1)の発現様式を解析し、各前癌病変における発癌の関連性を明らかにした。 胃癌患者の胃の腫瘍部および非腫瘍部ににおいて、KK-LC-1の遺伝子発現率が高値であること(腫瘍部, 78%; 非腫瘍部, 58.5%)を明らかにした。非胃がん患者におけるKK-LC-1の発現率は7%と低く、胃がんの原因菌とされるHelicobacter pylori感染とは独立した発現様式を示した。さらに、わずか8例のKK-LC-1陽性非胃がん症例から2例の胃癌発症を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は前癌状態を見極めるための新たな標的分子の発見である。今までは、細胞の内的因子を用いたリスク診断予防策は存在しなかった。本研究成果は新たな分野のリスク診断、予防技術となる。近年がんに対する新たな治療技術開発が大きな進歩を遂げている。当該事象は社会的な観点から見ると、癌という疾患の予後の改善に貢献している。予後の改善という点では、がんを早期で発見することも同様な社会貢献となる。本研究課題の成果は、前癌状態を見極める新たな技術であることから、本技術を上市することで、がんの早期発見に寄与することができ、予後の改善に貢献できる。
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