研究課題/領域番号 |
19K09229
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
有田 通恒 東邦大学, 医学部, 助教 (80307719)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | EMAST / DNAミスマッチ修復 / 低酸素 / p53 / 進行大腸癌 / マイクロサテライト / p53変異 / マイクロサテライト不安定 / 悪性化機構 |
研究開始時の研究の概要 |
転移や再発が問題となる進行大腸癌は極めて多様性の高い癌である。進行大腸癌を克服するには、多様な悪性化機構を解明することが求められている。本研究の目的は、大腸癌特有の悪性化を大腸癌細胞株で実験的に再現し、悪性化を司る遺伝子を特定することである。体の中で起きる大腸癌の悪性化を体の外で再現するには、再現の成否を判別できる指標が欠かせない。本研究では、大腸癌の悪性度とよく相関するゲノム不安定性EMASTに着目する。すなわち、細胞株がEMASTとなる培養条件を悪性化の再現と仮定する。この条件下で働きが変化し悪性化に関わる遺伝子を同定することで、EMAST型の進行大腸癌特有の悪性化機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
進行大腸癌ではゲノム不安定性EMASTの有無と予後に高い相関が見られることから、細胞株でEMASTを誘導できれば、悪性化因子の探索の実現が期待できる。このコンセプトに基づき、本研究では1)高率なEMAST誘導条件の確立と、2)培養細胞での簡便なEMAST判別法の開発を行った。1)では、これまでに見いだしていた低酸素環境とp53の機能異常に加え、高細胞密度とすることでEMAST発生率が上昇することが分かった。さらに、EMAST発生に寄与すると考えられるp53の分子特性も見いだした。一方、2)については遂行中に計画の見直しが必要となり、今後の課題として残された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、散発性大腸癌の悪性度とEMASTとの強い相関性に着目し、実験的EMAST誘導培養系を用いたEMAST関連悪性化機構の解明を試みた。研究期間中に、細胞密度を高く維持することでEMAST誘導高率を上げられること、ならびに、癌抑制分子p53にはゲノム上のEMASTマーカー領域に結合して安定性に寄与する可能性があることを明らかにした。反面、当初計画した簡便で迅速なEMAST検出法の開発が予定通りに進まず課題を残した。今後の進捗により検出法を確立すれば、本研究で見いだしたp53の新たな分子特性を生細胞で評価でき、p53を介したEMAST関連悪性化機構の解明が大きく進むと期待できる。
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