研究課題/領域番号 |
19K09233
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
森 健一郎 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70610236)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 3MC症候群 / 補体 / CL-K1 / 自然免疫 / 分泌タンパク質 / コレクチン / 発生 / CL-L1 / MASP-1/3 / 補体系活性化分子 / 心臓中隔形成 |
研究開始時の研究の概要 |
3MC症候群は人種・性別に関係なく発病する心臓異常、二分脊椎症、成長不全、知的障害、口蓋口唇裂等の特徴を持つ、常染色体劣性遺伝性疾患である。3MC症候群の原因として、自然免疫分子CL-K1、CL-L1、MASP-1/3の遺伝子変異が報告された。これらの分子は、成体では補体系を活性化することで異物排除に関わる自然免疫分子であるが、自然免疫分子の欠損により多臓器形成不全が引き起こされる原因は不明である。本研究は3MC症候群と酷似した表現型を示すマウスモデルを利用し、これらのタンパクの胎生期における機能解析を行うことで、3MC症候群の発病機序解明の足がかり的な知見を得ることを目的としている。
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研究成果の概要 |
3MC症候群は、人種、性別、環境などに依存せず発病する、心臓中隔欠損、心室中隔欠損、二分脊椎症、成長不全、発達障害、口蓋口唇裂などの症状を引き起こす、常染色体劣性遺伝子疾患である。その発病機序不明であったが、補体活性分子、CL-K1とMASP-1/3遺伝子変異が報告された。本研究では、CL-K1遺伝子改変マウスを利用し、発病機序解明の研究を行なった。 その結果、CL-K1が未受精卵から出産直後の胎生期に発現している事、CL-K1遺伝子改変マウスで二分脊椎症などの骨形成異常が起きている事、心臓中隔欠損がある一定の割合で引き起こされることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CL-K1、MASP-1/3は細菌、ウイルスなどの異物が生体内に侵入した際、これらの排除に機能する自然免疫分子である。これらの分子が、子宮、羊膜内で成長する、胎児体内という細菌学的に非常に清潔な領域で、胎生期の初期から発現していることを明らかにしたことである。すなわち、生体内では自然免疫系の補体系路活性化のシグナル下で異物排除に関与する分子が、胎生期では未知の分子と相互作用し、器官形成経路に関与することを示唆する重要な結果である。 また、CL-K1ノックアウトマウスがヒト3MC症候群と非常に類似する表現型を示したことから、今後の3MC症候群発病機序解明に有用なモデルであることを明らかにした。
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