研究課題/領域番号 |
19K09237
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大坂 基男 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60816544)
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研究分担者 |
大根田 修 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30311872)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 間葉系幹細胞 / SDF-1 / CXCR7 / 創傷治癒 / 炎症反応 / 脂肪細胞由来間葉系幹細胞 / 末梢動脈疾患 / 下肢虚血 / 動脈硬化 / 血管新生 / 脂肪組織由来間葉系幹細胞 / 脂肪組織 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、脂肪組織由来の間葉系幹細胞は採取の容易さから、心筋、血管、骨軟骨、脂肪組織の再生医療に用いられている。これまでにも自己組織由来の幹細胞移植による血管再生治療が報告されているが、その効果は患者により差がある。患者がもつ老化や疾患(糖尿病、腎不全)の影響、虚血組織自体がもたらす細胞組織環境の悪条件や、自己幹細胞の機能障害が原因として想定されている。我々は、老化と動脈硬化が脂肪組織由来間葉系幹細胞に与える影響を、血管周囲脂肪組織由来間葉系幹細胞に着目して、病的動脈壁周囲で脂肪組織に何が起こっているのか、皮下脂肪組織由来の間葉系幹細胞との比較検討でその性質変化を明らかにして臨床応用つなげたい。
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研究成果の概要 |
動脈硬化症の患者において、病変部に局在しているPVAT-MSCsを解析したところ、増殖能は低いもののSDF-1/CXCR7の発現が高く、より高いEPCを遊走能力有していた。以上の結果より、PVAT-MSCsは病気の進行に関与している可能性が示唆された。この細胞機能をin vivoで解析するためにマウス創傷治癒モデルにてPVAT-MSCsを解析したところ、治癒能力の促進が見られた。創傷の治癒は組織修復だけではなくさまざまな機能により修復されることから、炎症性サイトカイン等の発現解析、炎症性細胞の遊走などのin vitroの解析を行い一定の成果を上げることが出来た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人口構成の高齢化とともに動脈硬化性疾患もこれと平行して増加している。下肢アテローム硬化性閉塞性動脈疾患は、背景にある生活習慣病の治療による進行予防と、病変部位に対する血行再建(人工血管置換によるバイパス手術や血管拡張術)が行われている。いずれも対症療法であり、30-50%の患者に血行再建後の再閉塞を認め、下肢切断に至る例も少なくない。本研究課題の遂行により新規間葉系幹細胞を用いて効果的で安全な新しい治療法の開発に大きく貢献でき、QOLの改善など社会的意義も大きいと考えている。
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