研究課題/領域番号 |
19K09254
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
岡田 隆之 関西医科大学, 医学部, 准教授 (60421278)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | Genome Omics / Genetic Variant / Precision Medicine / Cardiovascular Diseases / Biomarker / Genetic Mutations / Genomic Omics / 大動脈疾患 / 嚢胞性腎肝疾患 / 大動脈解離 / 網羅的遺伝子探索 / 心臓血管外科 / バイオマーカー / 大動脈瘤 / ステントグラフト治療 / 遺伝子発現 / 次世代シークエンサー / 網羅的遺伝子解析 / 低侵襲治療 / プレシジョンメディシン |
研究開始時の研究の概要 |
大動脈疾患患者の遺伝子発現状況により家族性疾患や遺伝様式が知られている。本研究では血管外科治療を要する患者を人工血管置換手術とステントグラフト手術の2群に分けて、各症例の遺伝子発現状況に合わせた病態の把握や、今後の病勢とその進行を予防することを目的としている。約800種類の遺伝子発現を定量的に検出できるnCounter Analysis Systemを用いて網羅的に遺伝子発現傾向を捉える事で、疾患発現に関連した遺伝子群の組合せを同定し、有効なバイオマーカーの新規同定が期待される。病勢の把握から有害イベントを回避するような治療方法を選択し得る研究である。
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研究成果の概要 |
マルファン症候群及び類縁疾患患者の候補遺伝子パネルシークエンス検査を行い、病的(pathogenic)と判断できる遺伝バリアント以外に,病的意義を確定できない変異(Variants of Unknown Significance,VUS)が散見された。VUSバリアントに関しては独自の発現機能解析を実施して発表した。特に変異未検出例やFBN2変異を伴うMS類縁疾患、また眼・神経限局型の存在が確認されFBN1のバリアントを検出し得た。FBN1を中心とする細胞外マトリクスのシグナル制御機序には未知な機構が残されており、ゲノム・オミックス情報を駆使したさらなる解明が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自験例のMS症候群及び類縁疾患遺伝子パネルシークエンス検査を利用し、25%にFBN1遺伝子バリアントを同定し得た。心臓大動脈疾患が顕性遺伝の家族集積を示す場合はもちろん、たとえ家族歴や教科書的な特徴的身体所見がなくても、若年発症例(50歳未満発症)であればFBN1遺伝子を中心にした心大動脈形態を支持する弾性線維構造やシグナル異常が関与しうる可能性が示唆された。心大動脈疾患のVUSバリアントの病原性を再検討すると同時に、包括的なゲノム・オミックス情報の蓄積がプレシジョンメディシンの発展に重要な役割を果たすと考える。
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