研究課題/領域番号 |
19K09261
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
土田 憲 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (60816403)
|
研究分担者 |
後藤 均 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (00400333)
赤松 大二朗 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40420012)
藤島 史喜 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40451596)
多田 寛 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (50436127)
権田 幸祐 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80375435)
綿貫 宗則 東北大学, 大学病院, 講師 (90451575)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 重症下肢虚血 / CLI / CLTI / 一酸化窒素合成酵素 / 一酸化窒素 / 下肢閉塞性動脈硬化症 / 組織障害因子 / 閉塞性動脈硬化症 / 末梢動脈疾患 / 救肢治療 / 虚血障害 |
研究開始時の研究の概要 |
重症下肢虚血は下肢動脈疾患のうち安静時痛や創傷を呈する最重症の病態であり、血行再建を行わなければ多くが大切断を余儀なくされる。しかし脆弱な患者背景から手術死亡率が高い上に創傷治癒まで長期間を要するため医療費の高騰など様々な問題を生んでいる。我々は虚血から創傷の形成と進展には組織障害を惹起する何らかの要因が介在するものと推察している。組織障害因子を特定すれば、虚血下においても創傷を抑制する事が可能になると考えた。我々はNO合成酵素に着目して患者の切断組織を用いて虚血障害の機序を蛍光ナノ粒子技術を駆使して明らかにし、虚血肢治療における新しい治療法を開発することを最終目的として本研究を実施する。
|
研究実績の概要 |
重症下肢虚血(CLI: Critical Limb Ischemia)は下肢末梢動脈疾患(PAD: Peripheral Artery Disease)のうち安静時疼痛や下肢虚血性潰瘍・壊死を呈する最重症の状態でPADの約3%を占める。CLI患者の生命および下肢自然予後は概して不良である。3年以内に約半数が心血管イベントにより死亡し、下肢に関しては血行再建術を行わなければ約30%が一年以内に大切断を余儀なくされるため何らかの血流改善策が下肢救済のためには必須と考えられている。しかし、その脆弱な患者背景から周術期死亡率が高い上に創傷治癒までに数ヶ月を要する事も多いため医療費の高騰などを含め様々な問題を生んでいる。我々はCLI治療の経験から、下肢虚血を契機とした潰瘍・壊死の形成と進展過程には虚血に加えて何らかの組織障害を惹起する要因が介在するものと推察している。組織障害因子を特定する事が出来れば、虚血が存在していても潰瘍・壊死の発生や拡大を抑制する事が可能になるのではないかと考えた。CLI患者の切断組織を用いて組織障害の機序を明らかにし、CLI治療における新しい治療戦略の確立を目指すことを最終目的として本研究を申請した。我々は組織障害を惹起する原因として先行するマウス心筋を用いた研究からNO合成酵素―酸化ストレス経路に着目して研究を進めている。具体的にはCLIによる切断趾を用いて各種NO合成酵素を染色して酵素の分布を明らかにする。また非動脈硬化切断趾として整形外科疾患による切断肢を用いて比較検討を実施する。これまでのところ、重症下肢虚血切断趾29症例、非動脈硬化症切断趾8症例を登録して組織的探索を進めている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の方法の概略は以下の通りである。 下肢潰瘍や壊疽を主訴として東北大学病院総合外科(血管外科)を受診した患者で、Skin Perfusion Pressure(SPP) 40mmHg以下かつ画像所見(造影CTまたは下肢動脈造影)でCLIと診断した患者のうち、足趾あるいは大切断(膝上あるいは膝下)を要した切断趾(肢)全てを評価対象とする。血行再建術併施の有無は問わない。また、対照(非動脈硬化症患者)として、整形外科疾患による切断標本を用いる。これらの患者から得られた切断標本をもとに各種NO合成酵素を免疫染色とPID染色して比較検討を行う。 これまでの患者登録は比較的順調ではあったが、切断足趾のPID染色条件の調整に困難を極めて約半年を費やした事に加え、研究者の新型コロナウイルス感染症罹患により組織学的検討に遅延を生じた。
|
今後の研究の推進方策 |
虚血趾に対するPID染色は現状では困難と判断して免疫染色で対照との比較を行う方針に変更した。今年度中に論文化を進める方針である。
|