研究課題/領域番号 |
19K09281
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55030:心臓血管外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
升本 英利 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (70645754)
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研究分担者 |
川東 正英 京都大学, 医学研究科, 助教 (00837700)
湊谷 謙司 京都大学, 医学研究科, 教授 (20393241)
武田 匡史 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (40547501)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | iPS細胞 / 心臓再生医療 / 創薬研究 / 病態モデル / 疾患再現 / バイオマテリアル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ヒトiPS細胞由来生体模倣性人工心臓組織に対する成熟化の制御により、重症心疾患の病態を模した人工組織を作製し、病態発症メカニズムを解明し、薬剤スクリーニングによる治療薬開発のための技術基盤の確立を目的とする。 ヒトiPS細胞から心臓を構成する各種細胞群への効率的分化誘導技術、細胞シート積層化あるいはバイオマテリアルによる心臓細胞の立体化技術を用いて作製した、生体機能を有する疾患iPS細胞由来の人工心臓組織に物理的あるいは生物化学的刺激のコンビネーションによる成熟化を加えることで、より成体に近い疾患心臓組織を作製する。各種化合物投与における組織機能評価により、治療薬候補検索を行う。
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研究成果の概要 |
古典的Wntシグナル調節によりヒトiPS細胞から心筋細胞・血管内皮細胞を優位に誘導する方法および安定して自己拍動人工組織を得る方法を確立した。組織成熟化の検討として、動的流体刺激を加えることにより心筋細胞層厚の著名な増加・外的電気刺激および薬剤負荷刺激に対する反応性を認めた。さらに組織内に血管網が形成されることを見出した。Organ-on-a-chipにより、組織機能を高感度に評価する方法を開発した。家族性拡張型心筋症患者由来iPS細胞を入手し、細胞バンク構築および心血管系細胞分化誘導に成功した。これらにより、疾患特異的人工心臓組織の作製が可能となり、病態再現および創薬研究が可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
末期心不全で心臓移植以外に治療法がないものの、ドナー不足のため救命し得ない患者に対する新たな治療スキームが模索し続けられてきた。本研究開発により実現した、心臓病患者由来iPS細胞から作製した、成熟化を伴う生体模倣性人工心臓組織は疾患再現・創薬研究に大きく貢献しうると考えられ、高い社会的意義を有する。本研究は我々の有する独自のヒトiPS細胞から作製した人工心臓組織を有効活用し、実臨床におけるニーズを解決することに照準を合わせた、トランスレーショナル・リサーチ(橋渡し研究)の好例と言え、高い学術的意義を有する。
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