研究課題/領域番号 |
19K09284
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
土井 健史 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (70814490)
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研究分担者 |
眞庭 謙昌 神戸大学, 医学研究科, 教授 (50362778)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | BEX1 / 肺腺癌 / 悪性胸膜中皮腫 / 浸潤能 / 細胞増殖能 / DL-CGH / LY6K |
研究開始時の研究の概要 |
癌浸潤のメカニズムを知ることは、癌の浸潤・転移を抑制して癌の治療成績を向上させるために必須である。我々は癌の浸潤を研究するにあたり、コラーゲンゲルを利用した培養細胞の浸潤を経時的に観察する3次元 in vitroモデルを開発し、癌細胞によって浸潤傾向の示し方が異なることを示した。同じ癌種の中でも浸潤能は異なり、この手法を用いたら複数の癌細胞株を浸潤能の有無で分類できることに着目した。本研究では浸潤能の違う細胞株を比較検討することで浸潤に強く関わる遺伝子を絞り込み、新たな癌治療の分子標的としての可能性を検討する。
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研究成果の概要 |
癌の浸潤は癌が周囲組織へ進展する時や遠隔転移する時に非常に重要な機構であり、癌が生命に関わる大きな要因の1つとなる。我々は先行研究で癌の浸潤能を評価する手法として2層化コラーゲンゲル半球法を開発し、これを癌細胞株に応用して細胞株を浸潤能の有無で分類することができた。肺腺癌細胞株・悪性胸膜中皮腫細胞株を用いて浸潤能の高い細胞株を選別した上で発現が亢進している遺伝子を検索したところ、BEX1が著明に発現亢進していることが判明し、BEX1の抑制により癌細胞の浸潤能と細胞増殖能が抑制されることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
癌が浸潤・転移する際には多段階のプロセスを経ることが知られており、我々が開発した浸潤能評価のための2層化コラーゲンゲル半球法は、特に癌が周囲組織・間質へ浸潤する様子を観察・評価するのに優れていた。今回用いた肺腺癌・悪性胸膜中皮腫細胞株が周囲組織に浸潤する際、外に向かって樹状突起を伸ばして浸潤する様子が見られ、BEX1を抑制することで樹状突起が形成されず浸潤ができなくなることが観察できた。この結果、BEX1は癌が樹状突起を伸ばして周囲に浸潤するのに深く関与し、浸潤のメカニズムに関わる有用な遺伝子であると考えられる。BEX1の働きを抑制する薬剤の開発は新たな分子標的薬の開発につながる可能性がある。
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