研究課題/領域番号 |
19K09287
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小阪 美津子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (50270476)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 癌 / 悪性進展 / 予後予測 / 転移 / 早期診断法 / 発現調節機構 / 癌の悪性進展 / 細胞移動 / 浸潤 / 発現制御機構 / 転写調節因子 / SPP1 / がん進展 / がん / 悪性度 / 遺伝子発現制御 / ライブイメージング / 幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
SPP1は、多くの固形がんの発生・進行・転移に関与し、最も信頼度の高い予後不良因子として知られる。本研究では、がん細胞集団の中で、SPP1発現細胞のみを可視化しその挙動を追跡することにより、その特徴を明らかにする。特に、がんの浸潤・転移の過程において幹細胞としての機能を持つのか否かをライブイメージングにより調査する。加えて、その発現制御機構を解明することにより、がん細胞の浸潤・転移に決定的役割を果たす因子の新規同定を目指す。
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研究成果の概要 |
SPP1(Secreted Phohoprotein は、多種類の癌の悪性進展の過程で上昇することが知られる分泌因子として知られているが、そのしくみや意義に関しては不明な点が多かった。本研究では、癌細胞が産生するSPP1の量を調節する機構の一端を明らかにした。 さらに初期胚多能性維持に必須であるOCT4という転写調節因子が癌細胞が産生するSPP1レベルを上昇させる因子の一つであることが判明した。OCT4-SPP1軸は早期肺腺癌検体においても確認でき、予後不良と相関が高いことが分かった。さらにこの分子軸は、癌細胞集団の移動に重要な意味を持つことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SPP1は、多種類の癌の悪性進展の過程で上昇することが知られる分泌因子として知られている。本研究では、SPP1遺伝子の発現量を調節する機構に着目した。その結果、癌が悪性進展する際にSPP1が上昇するしくみとその役割についての新規情報を得ることができた。さらに早期肺腺癌検体での調査から、新たなバイオマーカー分子軸を同定した。本研究成果は、良性腫瘍と悪性腫瘍の性質の違いや悪性進展へ向かうしくみを理解する上で解明に貢献すると同時に、早期癌の予後予測や超早期転移診断に応用できる可能性が高い。正確な予後予測が可能となれば、一人ひとりのがん患者のQOLの向上だけでなく、医療経済上の社会的意義も大きい。
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