研究課題/領域番号 |
19K09292
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
シバスンダラン カルナン 愛知医科大学, 医学部, 講師 (30557096)
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研究分担者 |
村上 秀樹 愛知医科大学, 愛知医科大学, 客員研究員 (90303619)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | MPM / NF2 / p16 / CD24 / ゲノム編集 / 悪性胸膜中皮腫 / p16INK4a / BAP1 / CAMK2D / 脂肪酸合 / デスモソーム / 早期診断マーカー / 新規分子標的薬 / CRISPR-Cas9 / 二重破壊クローン |
研究開始時の研究の概要 |
悪性中皮腫は、アスベスト曝露を原因とし発病までに約30-40年を要する。症状確認時の年齢中央値は60歳以後となり特に高齢者に影響している。呼吸困難や息切れなどの自覚症状や画像診断による胸膜の肥厚が認められたときにはすでに進行していることが多い。また、中皮腫ではがん抑制遺伝子である神経線維腫症2型遺伝子NF2、p16, BAP1遺伝子において高頻度に異常が存在しているが中皮腫発症の分子基盤はほとんど明らかになっておらず、早期診断マーカ-や分子標的薬の開発が切望されている。本研究は悪性中皮種の新規標的分子を見出すことが目的である。
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研究成果の概要 |
悪性中皮腫は(MPM)、難治性腫瘍である。化学療法の効果は限定的であり、新たな治療薬が切望されている。MPMでは、がん抑制遺伝子の欠失を高頻度に伴うが、これらの欠失がMPM腫瘍の成長にどのように寄与しているかを理解するために、中皮細胞を用いてNF2/p16ダブルノックアウト(DKO)細胞を作成し、定量的PCR分析により、DKOクローンにおけるCD24の発現が認められた。さらに、免疫組織化学染色の結果から、NF2/p16の発現が陰性であるすべてMPM組織において、CD24の発現が認められた。これらの結果は、CD24が予後マーカーとして、新規診断・治療ターゲットとして利用できる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、NF2欠損に加えてMPM患者で高頻度に見られるp16INK4欠損やBAP1欠損を二重または三重欠損させた細胞を樹立して、その表現型を動物モデルや分子生物学的手法で解明することにより、新たな早期診断マーカーや分子標的治療薬の候補分子の同定が期待できる。本研究から解き明かされる悪性中皮腫の発がん分子病態は極めて高い新規性とゲノム医療への応用が期待できる。また、本研究における解析システムは、他の癌種の分子病態と発がん機構の解析に応用できる可能性を秘めており、その波及的効果は高い。
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