研究課題/領域番号 |
19K09294
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 (2022-2023) 独立行政法人国立病院機構埼玉病院(臨床研究部) (2019-2021) |
研究代表者 |
市来 嘉伸 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (80419837)
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研究分担者 |
田中 文啓 産業医科大学, 医学部, 教授 (10283673)
米田 和恵 産業医科大学, 医学部, 講師 (80724806)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 肺癌 / 癌免疫 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 手術 / CTL / 細胞性免疫 / 免疫療法 / T細胞 / CD103 / 腫瘍内浸潤リンパ球 / PD-1 / PD-L1 / 細胞性免疫応答 / 免疫逃避機構 / 耐性メカニズム |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害剤治療前後の肺癌組織について、肺癌細胞の免疫制御性分子と免疫促進性分子の発現を、免疫染色を用いて解析し、発現の程度と経時的な変化を確認する。また、免疫チェックポイント阻害剤を投与した肺癌症例の治療前後の末梢血リンパ球を採取する。免疫制御分子 、免疫促進分子の分子発現をflow cytometryにて確認、発現強度と免疫チェックポイント阻害剤の臨床効果を確認する。つまり、免疫チェックポイント阻害剤に抵抗性を獲得した症例で、免疫制御性分子の発現増強、免疫促進性分子の発現減弱等が認められないか解析を行う。得られた分子プロファイルと治療効果および有害事象との関連を調べる。
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研究成果の概要 |
末梢血単核細胞(PBMC)および肺癌組織における免疫関連分子発現と免疫チェックポイント阻害剤(ICI)単剤療法の効果との関連を前向きに解析した。 ICI単剤療法進行非小細胞肺癌の21人の患者を対象とした。腺癌/扁平上皮癌:11/10人、抗PD-1抗体/PD-L1抗体:18/3人。臨床効果はCR/PR/SD/PD:1/7/10/3人。無増悪生存期間(PFS)における多変量解析にて、投与後のPBMC中のCD103+ CD39+CD8+細胞の変化が独立した予後因子となった。 投与後のCD103+CD39 + CD8 +細胞の増加は、ICIの有効性を予測するバイオマーカーとなり得る可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫チェックポイント阻害剤(ICI) 単剤投与肺癌症例の肺癌組織や末梢血リンパ球を解析し、ICIの効果、耐性予測因子の検討を行なった。ICI投与前にCD103+リンパ球が腫瘍内に浸潤しているような症例は、ICIに反応し、末梢血中にCD103+ CD39+CD8+細胞が増え、臨床効果も高くなると考えられた。さらなる解析が必要であるが、CD103+ CD39+CD8+細胞をバイオマーカーとして用いることで、ICI治療の正しい患者選択やより効果的な治療法の確立が実現出来る可能性がある。より効果的で安全な免疫療法を実現するのみならず、高額な免疫療法を真の個別化治療に導くことで医療費削減も期待できる。
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