研究課題/領域番号 |
19K09305
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55040:呼吸器外科学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
杉本 誠一郎 岡山大学, 大学病院, 准教授 (40570148)
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研究分担者 |
豊岡 伸一 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (30397880)
大藤 剛宏 岡山大学, 大学病院, 教授 (40452578)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 肺移植 / 慢性移植肺機能不全 / 一塩基多型 / ジャポニカアレイ / 血中遊離DNA / バイオマーカー / リキッドバイオプシー / 拒絶反応 / 呼吸機能 / DNA |
研究開始時の研究の概要 |
肺移植後の慢性拒絶反応(CLAD)は肺移植後の長期生存を低下させる主な原因である。CLADは早期治療により増悪を防止できる場合があり、新しい早期診断法が必要とされている。我々は生体肺移植のドナーとレシピエントのDNAの違いから、レシピエント血中のドナー由来DNAを検出し、急性拒絶反応が診断できることを発見した。しかし、限られたDNAの解析では、DNAの類似性から診断が困難な場合があった。一方、ジャポニカアレイは多量のDNAを微量の検体から安価に解析できるため、本研究ではジャポニカアレイを用いて、レシピエント血中のドナー由来DNAを測定し、CLADの新しい早期診断法の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
肺移植後の慢性拒絶反応である慢性移植肺機能不全(CLAD)は、肺移植後の長期生存を低下させる主な原因であり、肺移植後5年で約50%の患者がCLADを発症する。また、CLADと並ぶ肺移植後の慢性期合併症が慢性腎臓病(CKD)であり、肺移植後10年で約25%のレシピエントが透析や腎移植が必要な重度のCKDを発症し、重度のCKDの発症により肺移植後の死亡率が上昇する。本研究では、肺移植後の慢性期合併症の克服に向けて、ジャポニカアレイを用いて、CLADの早期診断を可能にする新しいバイオマーカーの探索や、CKDに関連するSNPの同定を行っている。まず、これまで当院で保存されていた血液検体を用いて、ジャポニカアレイによるCLADの解析を試みたが、ジャポニカアレイの解析では、従来の当院の研究よりも多くのDNA量が必要とされた。保存された血液検体ではジャポニカアレイの解析に必要なDNA量が不足していたため、ジャポニカアレイで必要とされるDNA量を満たす血液検体の保存方法に変更し、新たに血液検体を集積した。本年度は、新たに集積した34名の肺移植レシピエントの血液検体を用いて、肺移植後のCKD発症に関与するSNPを同定するため、ジャポニカアレイによる約60万種のSNPの網羅的な解析を実施した。これまで、日本人を含む東アジア人約7万人を対象とした大規模なゲノムワイド関連解析の結果が報告されており、既に同定された腎機能に関連するSNPを中心に検討を加えた。複数のSNPが肺移植後のCKD発症に関連していることを同定したため、更なる解析を加えてCLADに関する解析も進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ジャポニカアレイによる解析の基準をみたすDNA量を備えた血液検体を徐々に集積できており、30例以上の検体で、ジャポニカアレイを用いた約60万種のSNPの網羅的な解析が可能であった。
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今後の研究の推進方策 |
ジャポニカアレイによる解析の基準をみたすDNA量を備えた血液検体の集積を進め、ジャポニカアレイによる解析を進め、呼吸機能に基づいたCLADの診断方法と比較して、ジャポニカアレイを用いた方法の可能性と有用性を検討していく。
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