研究課題/領域番号 |
19K09316
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
神田 浩嗣 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (00550641)
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研究分担者 |
神田 恵 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50516820)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 遺伝子治療 / ウイルスベクター / GABA / GAD67 / ラット疼痛モデル / 疼痛 / 遺伝子導入 / 神経障害性疼痛 / GABA作動性抑制系 |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでの研究により、アンチセンス法を用いた遺伝子治療ならびに、TNF-αを標的としたウイルスベクターによる遺伝子治療が神経障害性疼痛に有効であることを報告した。これらの成果を踏まえ、本研究では、神経障害性疼痛に対しGABA(gamma-Aminobutyric acid)作動性抑制系を標的としたウイルスベクターによる遺伝子治療を行い、その有用性とメカニズムを明らかにする。本研究の成果は、神経障害性疼痛の遺伝子治療の開発と臨床応用に繋がるものであり、従来の薬物療法や神経ブロック等に抵抗性を示す難治性の慢性疼痛へ向けて、新たな治療戦略を提供するための重要な足掛かりとなる。
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研究成果の概要 |
我々は、痛みの遺伝子治療の臨床応用を目指し、ウイルスベクターを用いた疼痛治療の有用性とメカニズム解明に関する研究を行ってきた。本研究により、ラット疼痛モデルにGAD67を発現するウイルスベクターを投与すると、1)神経障害性疼痛が緩和され、そのメカニズムには、2)脊髄後角のGAD67が増加してGABA合成が促進すること、脊髄後角のTNF-α放出が抑制されることが関与すること、3)ウイルスベクターを投与した疼痛モデルにGABA受容体アンタゴニストを足底部に注入すると、疼痛閾値が低下し鎮痛効果が抑制されることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の医学の躍進により、遺伝子治療はさまざまな領域で注目されている。中でも、ウイルスベクターを用いた遺伝子治療は、がん治療、代謝疾患、神経疾患などの分野での臨床治験が国内でも開始されている。しかしながら今のところ、神経障害性疼痛に対する遺伝子治療は確立されていない。本研究で得られた痛みの遺伝子治療に関する知見、すなわち、神経障害性疼痛を緩和するウイルスベクターを用いた遺伝子治療の効果とそのメカニズム解明に関する成果は、英文誌へ報告した。本研究の成果を慢性疼痛の新しい治療法の開発と臨床応用へと繋げることによって、将来的に疼痛患者のQOL改善と国民の健康維持に寄与することが可能になると考える。
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