研究課題/領域番号 |
19K09320
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
田口 奈津子 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (80282474)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 呼吸困難感 / オピオイド / 息こらえ時間 / 呼吸不安定性 / 担がん状態 / がん患者 / 呼吸困難 / 疼痛閾値 / ベッドセンター |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、がんまたは心不全進行期の患者にてオピオイド投与前後での疼痛閾値、息こらえ閾値測定により睡眠中の呼吸イベントが、予測可能かどうかを検討する。モルヒネなど各種オピオイドが、呼吸困難感を緩和するという臨床データは蓄積されている。しかし、臨床では呼吸抑制への不安から、特に非がん患者に対する処方にはいまだ消極的である。①オピオイド作用・副作用に対する感受性の個人差を疼痛閾値および息こらえ時間の個別変化で評価し、②睡眠時の重篤な呼吸抑制イベントを、我々が開発した非接触、非拘束モニターシステム(Isono S. et al. J Appl Physiol 2019 Epub)を用い評価する。
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研究実績の概要 |
がん、非がんいずれの病態であっても緩和ケアが必要な患者の中で呼吸困難感は高頻度に存在し、患者QOLの維持さらには緩和医療の確立のために、その対応は急務と考えられている。 呼吸困難感に対するオピオイド(モルヒネ)の効果は一定のエビデンスとともに明らかとなっている一方で、オピオイドを用いた呼吸困難感緩和効果は、呼吸抑制リスクとの調整となり、依然として特に非がん領域でその使用はためらわれることとなる。我々は症状に対する至適投与量を模索するために 日中に測定された息こらえ時間(Breath Holding Time と Non-respiratory sensation period)が、オピオイド至適投与量を決定すると仮説をたて、そのPrimary end-point として夜間の睡眠異常(無呼吸の回数)を測定することとした。 これまでに改善が重ねられてきた非拘束、非接触ベッドセンサーシステムによる連続測定により可能となった研究である。当初データの取得に技術的な問題もあり開始が遅延したが、 現在10例以上のがん患者のデータが取得できている。しかし、コロナ禍により当科の病床が閉鎖し、患者リクルートを一時中止せざるを得ない状況であったため研究計画全体が遅延しているのが現状である。 一方で同様に呼吸困難感緩和に有効とされる鎮静薬(ベンゾジアゼピン系薬剤)とオピオイドを併用することの呼吸抑制増強作用について、同様にベッドセンサーシステムを用いて検討した結果が明らかになってきている。少なくとも臨床用量で用いられたベンゾジアゼピン系薬剤は夜間睡眠中においても重篤な呼吸数低下や呼吸パターン異常の原因とはなっていない。その測定手技、解析方法はすでに確立してきていることから今後患者のリクルートを進めることで研究遂行は可能である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
最大の理由はコロナ禍により当科の病床が閉鎖し、患者リクルートが一時中止とならざるを得ない状況であったため。
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今後の研究の推進方策 |
すでに10例以上のデータは取得できていることから 今後病棟再開とともに継続予定である。
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