研究課題/領域番号 |
19K09324
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
加藤 孝澄 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (80204478)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 分子状水素 / 血管内皮グリコカリックス / 人工心肺 / グリコカリックス / 水素 / 体外循環 / 人工肺 |
研究開始時の研究の概要 |
人工心肺(Cardiopulmonary Bypass:CPB)は心臓・大血管手術において必須の手技であるが様々な有害な副反応を引き起こす。特に脳組織障害は微小であっても、機能障害は患者さんにとっては深刻な問題である。ラットCPBモデルを用いてCPB後のグリコカリックス損傷に対して分子状水素吸入が保護効果を示し、CPB後の脳障害に効果を示すかどうかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
人工心肺により心臓と肺では、血管内皮グリコカリックスの厚さは、有意に減少したが脳でほとんど変化しなかことにより、臓器によって障害の程度が異なることが明らかになった。分子状水素は人工心肺による全身炎症および肺障害を軽減し、グリコカリックスの保護効果が認められた。今回の結果は人工心肺による臓器の障害についての理解を深めることに繋がると考えられる。臨床麻酔に用いるためには、人工心肺に対する分子状水素の投与に関しては、投与方法や保護効果についてさらなる検証が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、人工心肺中に分子状水素を投与することにより、人工心肺による全身炎症および肺障害を軽減することが明確になった。心臓と肺では、血管内皮グリコカリックスの厚さは、有意に減少したが脳でほとんど変化しなかことにより、臓器によって障害の程度が異なることが明らかになり、初期に想定された脳障害の程度を抑制するとの仮説は、実証できなかったが、心臓や肺といった他の重要臓器の保護に、分子状水素を人工心肺に投与することの重要性が明確になり、人工心肺による障害を臨床でも改善できる可能性が示された。臨床麻酔に用いるための、有効な基礎的なデータが得られさらなる研究を進めていく重要性も確認された。
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