研究課題/領域番号 |
19K09325
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
西脇 公俊 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10189326)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 神経原性肺水腫 / 神経ペプチドY / 気管支上皮細胞 / 細胞透過性 / ラット脳死モデル / 脳死肺移植 / 肺細胞透過性 / 神経原生肺水腫 / 気管支肺胞洗浄液 / サイトカイン / 神経ペプチドY / THP-1由来マクロファージ細胞 / 脳死モデル / NPY / VEGF |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでに、神経原生肺水腫の発生において、肺交感神経終末でカテコールアミンと共存する神経ペプチドY (NPY)を介した神経性調節による細胞透過性亢進が関与していること、および肺周辺領域における血管内皮細胞増殖因子(VEGF)の発現が肺血管透過性亢進に深く関与していることを明らかにしてきた。本研究では、ヒト正常肺微小血管内皮細胞とヒト気管支上皮細胞株を用いたin vitro細胞透過性アッセイ系やラット脳死モデルを利用したin vivo実験から、脳死関連肺障害病態におけるNPYおよびVEGFの役割を明らかとし、脳死患者の肺障害の予防・治療法を探ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は脳死患者に発症する肺障害発生機序解明に向け、in vitro肺細胞透過性評価系とin vivo脳死誘発肺水腫モデルラットを確立し、神経ペプチドY (NPY)の作用機序を検討することを目的とした。 海外製セルカルチャーインサートの入手困難に伴う気管支上皮細胞Calu-3を用いた肺上皮細胞透過性評価系の再構築は、Calu-3細胞単層のみの場合とマクロファージ様細胞との共培養の場合の両方で、LPS添加後に細胞透過性亢進作用を示す作製条件を見つけることができず、Calu-3細胞を用いての系構築を断念することにした。In vivoモデル系は脳死誘発後に肺水腫を発生するラット処置条件を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臓器移植医療において、たとえ脳死患者側が肺を提供臓器として了解していたとしても肺障害のため移植手術に至らない場合が多い。その原因として、肺炎以外に脳浮腫・脳圧亢進による神経原生肺水腫の関与が報告されている。すでに研究代表者は、ラット肺水腫モデルにおいて神経ペプチドY (NPY)の肺血管透過性亢進作用を見出している。本研究では、NPYの作用機序を解明するための評価系作製を試みたが、系を確立するには及ばなかった。しかしながら、in vivo脳死誘発肺水腫モデルラット作製方法習得など、研究自体は大きく前進した。今後の肺障害発生機序の解明研究により、脳死患者の肺障害予防法・治療法の開発が期待される。
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