研究課題/領域番号 |
19K09327
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松本 美志也 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60243664)
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研究分担者 |
山下 敦生 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (50379971)
水上 洋一 山口大学, 大学研究推進機構, 教授 (80274158)
若松 弘也 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (80379966)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 脊髄虚血 / 脊髄保護 / Glucagon-like peptide-1 / Exendin-4 / Liraglutide / 家兎 / Glucagon-like peptide 1 / リラグルチド / エクセナチド / グルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬 / グルカゴン様ペプチド1 |
研究開始時の研究の概要 |
小腸で産生され血糖調節に関与するホルモンとして発見されたGLP-1の受容体は、脳から脊髄まで広範に分布していることが明らかとなっている。しかし、その生理的役割は不明な点が多い。本研究では既に糖尿病治療薬として臨床使用されているGLP-1作動薬の脊髄保護作用に関して、家兎一過性脊髄虚血モデルを用いて検証する予定である。GLP-1作動薬の脊髄保護作用が明らかになれば、臨床面では胸腹部大動脈手術の重篤な合併症の一つである虚血性脊髄障害の予防に役立ち、研究面では脊髄腸連関の新たな研究分野が広がると考えられる。そして、中枢神経に広範に分布するGLP-1受容体の生理的役割の解明に役立つと思われる。
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研究成果の概要 |
対麻痺は胸腹部大動脈手術の重篤な合併症の一つであり、周術期の脊髄虚血が原因と考えられているが、いまだに有効な脊髄保護法がない。今回われわれは糖尿病治療薬として臨床使用されているGlucagon-like peptide-1(GLP-1)作動薬のExendin-4とLiraglutideについて家兎一過性脊髄虚血を用いて、その脊髄保護効果を検討した。その結果、高用量(臨床使用量の数倍)Liraglutideに脊髄保護効果があることが判明した。Liraglutide 投与により塩基性線維芽細胞増殖因子遺伝子やグルタミン酸トランスポーター遺伝子の発現が増加しており保護効果との関連が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臨床使用されている薬物で脊髄保護効果が認められたことの意義は大きい。虚血前投与による保護効果ではあるが、胸腹部大動脈瘤手術での脊髄保護を想定しているので虚血前投与は可能であり、投与タイミングに関しては臨床応用に問題となることはない。ただし、保護効果がみられたLiraglutideの投与量は臨床使用量の数倍であり、臨床応用に関しては何らかの対策が必要である。われわれはLiraglutideと作用機序の近いインスリンを併用することによりこの問題を解決できるのではないかと考えている。
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