研究課題/領域番号 |
19K09342
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
北山 眞任 弘前大学, 医学部附属病院, 准教授 (80374841)
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研究分担者 |
廣田 和美 弘前大学, 医学研究科, 教授 (20238413)
二階堂 義和 弘前大学, 医学研究科, 講師 (50613478)
中井 希紫子 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (60645266)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 局所麻酔薬 / 抗炎症作用 / 全身作用 / 交感神経機能 / 手術侵襲 / 自律神経機能 / 炎症反応モデル / 炎症反応 |
研究開始時の研究の概要 |
周術期の自律神経機能は、ストレス反応や炎症反応により交感神経優位となることが知られる。交感神経緊張の強さを評価し、自律神経のバランスを保つことで心筋虚血、感染およびせん妄など術後合併症のリスクを軽減しうる。一方、対光反射は自律神経機能を反映し心拍解析による自律神経機能評価との相関が確立すれば、瞳孔計は「ベッドサイドにおける合併症の予測モニター」として期待できる。 さらに「自律神経のバランスを維持する手段」として局所麻酔薬による求心路遮断に焦点を当て、臨床研究で自律神経機能を継時的に評価し血漿局所麻酔薬による自律神経機能への影響を解析する。さらにラットモデルで血中の炎症反応の動向を追加する。
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研究実績の概要 |
2019年度に行った人工膝関節置換術後の患者へのパイロット研究を行った。循環動態の変化から交感神経の緊張状態を間接的に評価し、大腿神経ブロック単独投与とカテーテルを留置による持続ブロック(0.125%レボブピバカイン4ml/hr)の2つのグループで術後の血圧や脈拍の変動に有意差を認めず(P>0.05)、さらに退室4時間後と8時間後におけるNRSは持続ブロックグループで低い傾向を認めていることから疼痛スケールが必ずしも交感神経緊張の度合いを反映しないことが示唆された。しかし、2021年以降、上記手術に対する大腿神経ブロックおよび持続大腿神経ブロックが診療科の方針により原則適応外となったため、代替えの研究対象を模索している。 一方、ラットを用いた基礎研究は、炎症反応による自律神経機能の変化が局所麻酔薬の併用によりどのように抑制されるか継続して評価している。LPS 投与による心拍スペクトラムはLF powerで低下、HF powerで増加傾向を認め、LF/HF ratioは低下傾向を示しLPSの投与により心拍変動解析の各指標に有意な低下傾向を認めたが、副交感神経系機能の低下により心拍数が比較的高値に維持されることに由来するとも考えられ、全体的にLPS投与により自律神経系機能は交感神経・副交感神経ともに低下し調節機構として健全な働きを消失した状態に至ると考えている。LPS(0.1mg/kg)をすべてに投与し、生食投与群とレボブピバカイン(1mg/kg ip)投与群で比較しLPS炎症モデルに於ける全身作用としてのレボブピバカインの抗炎症作用が示唆されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
引き続き臨床研究における患者への調査が遅延している。COVID-19 流行の影響と対象予定とした手術数が減少および対象手術に対するブロックの適応外となったためプロトコールの変更を検討中である。また心拍変動解析用のデバイスの運用に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
基礎研究ではLPS投与した炎症反応モデルによるラットで心電図解析を継続し、局所麻酔薬投与の有無による自律神経機能への影響を検討する。 平行する臨床研究は、膝人工関節置換術を対象として臨床研究を進める予定であったが前述のごとく、実験プロトコールの遂行が困難な状況が続いており対象患者とプロトコールを一部変更して研究を継続する予定である。
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