研究課題/領域番号 |
19K09344
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
川前 金幸 山形大学, 医学部, 教授 (70254026)
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研究分担者 |
後藤 薫 山形大学, 医学部, 教授 (30234975)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 細胞内情報伝達機構 / ジアシルグセロールキナーゼ / 低酸素応答 / エネルギーセンサー / AMPK / ATP / 低酸素 / リン脂質代謝酵素 / ATPセンサー / LKB1 / TAK1 / ジアシルグリセロールキナーゼ / HIF1α / SIRT1 / NF-kB / 免疫応答 / 生体侵襲 |
研究開始時の研究の概要 |
交通事故や脳卒中等の周術期管理において、損傷を受けた脳や臓器の生体応答は、急性期離脱後の回復を大きく左右すると考えられ、その評価は重要である。その際、血圧や血ガス等の変動をモニターするのみならず直接、生体細胞を解析対象とした生体応答の評価法を確立することができれば、周術期管理に非常に有用と思われる。本研究では、臓器損傷に対する生体応答を、血管破綻による血流障害によって生じる「低酸素に対する生体応答」、組織損傷によって作動する「炎症応答の主要転写因子NFkB経路」の2つの生存シグナルを評価項目として解析することにより、臓器損傷時の生体侵襲応答評価を行い、臨床現場の管理に役立てたいと考える。
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研究成果の概要 |
本件研究では、細胞内二次伝達物質ジアシルグリセロール(DG)のリン酸化酵素DGキナーゼ(DGK)ファミリーのゼータ型DGK(DGKζ)について、その低酸素応答機構を解析した。DGKζノックアウト(KO)細胞では、低酸素環境下において低酸素応答転写因子HIF1αの誘導が減少した。またNAD依存性脱アセチル化酵素SIRT1の発現とNADの減少が認められ、「エネルギー節約」を指揮する脱アセチル化反応が低下すると考えられた。また細胞内ATP量は約1.2倍に増加しているにも関わらず、エネルギーセンサーAMPKが活性化し(リン酸化の亢進)、これはTAK1リン酸化酵素を介することが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
損傷を受けた脳や臓器の生体応答は、急性期離脱後の回復を大きく左右すると考えられ、その評価は重要である。生体細胞を解析対象とした生体応答の評価法を確立することができれば、周術期管理に非常に有用と思われる。本研究では、臓器損傷に対する生体応答を、血管破綻による血流障害によって生じる「低酸素に対する生体応答」として捉え、種々の細胞・動物モデルを用いてその評価法を検討した。これらの研究結果は、将来的に臨床現場における生体侵襲応答評価法を確立するのに役立つものと考えられる。
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