研究課題/領域番号 |
19K09346
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
栗田 昭英 金沢大学, 附属病院, 准教授 (10507081)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | HUS / Vero toxin |
研究開始時の研究の概要 |
HUS(溶血性尿毒症症候群)は,Vero toxinによる微小血管障害が病態と考えられている.この微小血管障害の発症に,Vero toxin取り込み細胞で蓄積した不良蛋白を取り除く細胞性免疫が関与しているのではないかと考え,ラットHUSモデルを使用して,この過剰な免疫応答システムを抑えることで効果的な治療を行えないか検討する.具体的には,病態の根本治療としての免疫抑制療法,そして支持療法としてのサイトカイン抑制療法を行うことで生存率および各種パラメーターによって比較検討を行っていく.
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研究実績の概要 |
HUSは腸管出血性大腸菌によって産生排出されるベロ毒素がその病態形成に関与していることが想定されているが,その治療法には効果的なものがなく,対症療 法に限られる.そこで,HUSの効果的な治療法の開発を最終的な目標として,HUSモデル動物の作成から実験を開始した.研究初年度は,3回に分割してベロ毒素を 腹腔内投与することによって急激な循環動態の変化を来さずにHUSを発症させられないか検討し,死亡率としては0.2μg/kg×3回, 0.3μg/kg×3回の腹腔内投 与 が今後の治療法の検討を行う上で有用であると発表した.このモデル動物をもとに治療法の検討を考えていたが,この実験系で使用していた麻酔薬であるペン ト バルビタールの製造が打ち切られることが通達された.したがって,麻酔法以外のすべてをこれまでと同一にしたモデルで,麻酔法のみを吸入麻酔薬であるセ ボ フルランで行うモデルを新たに作成した.しかし,この新たな麻酔薬によって作成した実験モデルの生存率が安定しなかったため,やや時間を要した.モデルに 投与するベロ毒素の量の再調整が必要となっており,再度フィッティングの良いモデルを検討している.今後は当初の予定通り麻酔薬としてセボフルランを用い たモデルを使用して,免疫抑制療法,抗炎症効果のある薬剤の効果を検討していく.具体的には,アトルバスタチンやSGLT2阻害薬の抗炎症効果について検討して いく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
麻酔薬の製造中止に伴い,新たな麻酔法によるモデル作成が必要となったためおよびコロナ禍において十分に研究時間の確保ができなかった.
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今後の研究の推進方策 |
ベロ毒素の腹腔内3回投与モデルラット(HUSモデルラット)をもとに治療法の検討を考えていたが,この実験系で使用していた麻酔薬であるペントバルビタール の製造が打ち切られることが通達された.したがって,麻酔法以外のすべてをこれまでと同一にしたモデルで,麻酔法のみを吸入麻酔薬であるセボフ ルランで行 うモデルを新たに作成した.この新たな麻酔薬によって作成した実験モデルの生存率が安定しなかったため,やや時間を要したが,今後は当初の予定通り麻酔薬 としてセボフルランを用いたモデルを使用して,免疫抑制療法,抗炎症効果のある薬剤の効果を検討していく.
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