研究課題/領域番号 |
19K09358
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55050:麻酔科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
草間 宣好 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (60336691)
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研究分担者 |
徐 民恵 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (60381886)
大澤 匡弘 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 准教授 (80369173)
祖父江 和哉 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (90264738)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 慢性疼痛 / 脳活動 / 前頭前皮質 / 側坐核 / Electome / 脳波 / 脳波モデル |
研究開始時の研究の概要 |
「痛み」は主観的なもので、客観的な評価方法は現在確立していない。本研究ではまず、疼痛モデルラットに高密度多点電極を埋め込み、自由行動下の複数領域の脳波を測定する。この大規模電気生理記録の脳波から、慢性疼痛や急性疼痛に特異的なパターンを見出す脳波モデル「Electome」を作成し、痛みのモデル動物で使用して、慢性疼痛あるいは急性疼痛を特異的に判別できる「痛み状態検出器」として活用できるか検討する。さらに、慢性疼痛患者の脳波を測定し、Electomeで診断可能か確認する。「痛み」を「Electome」で客観的に評価できるようになれば、発症機序に基づいた治療薬などの開発が可能になる。
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研究成果の概要 |
痛みが慢性的に存在することで、脳活動に対してどのような影響を与えるかについての検討を行った。複数の脳領域から同時に電気生理記録を行う独自のシステムを用いて、神経障害性疼痛ラットの広範囲に渡る脳領域より記録を行った。無麻酔・無拘束(自由行動下)の神経障害性疼痛モデルラットの体性感覚や、情動に関わる脳領域の活動を同時に記録したところ、複数の脳領域で脳活動の変化が認められた。特に、側坐核や前頭前皮質において、γ帯域の周期的な脳活動が亢進していることが明らかになった。また、この2つの領域におけるγ帯域脳活動には相関性は見られず、ほぼ同時に発生していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2010年に厚生労働省より慢性の痛み対策についての提言がなされ、早急に医療体制の整備や医療資源の適正配分、社会的損失の軽減に寄与する取り組みもなされているが、目立った成果は得られていない。これは、痛みの慢性化の機構や慢性化した痛みが持つ病態生理的側面が理解されていないからである。 本研究成果は、痛みが慢性化する際に活性化する脳領域を同定したことから、これらの脳領域を対象に治療を行うことで、難治性の慢性疼痛を緩和できる可能性を提唱した点で社会的意義が高いと言える。また、脳の活動を読み解くことで、痛みの慢性化機構を明らかにできる可能性を提唱した点で学術的意義も高いと考えている。
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